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    リク(riku)

    ※無断転載、無断使用はNO!!※
    好きなのを好きな時に好きなだけ描きたい。
    お絵かき帳だったり絵日記だったり漫画載せたり小説載せたりごちゃごちゃ。
    キャラ崩壊系とかギャグ系が好き。
    しんみりとかシリアスめも好き。
    呟き(カプやキャラが云々他色々)もあるかも…。


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    ジャンル雑多になってきた今日この頃…。守備範囲は狭かったり広かったり。
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    リク(riku)

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    1107
    誤字脱字あったらすみません
    吸血鬼さんと狼男くんのお話 続き
    相変わらずルックがS入ってます
    坊っちゃんのざっくり性格→元気な脳筋系

    ##幻水
    ##幻水小説

    吸血鬼さんと狼男くんのお話 続き何やかんやありつつ辿り着いたのは、屋敷の中心部に位置する大広間。
    廊下と違いきちんと灯りが満たされている部屋に、少年は喜ぶ。かと思っただろう。実際は違っていた。彼は何度もこの屋敷に訪れているため、知っているのだ……この部屋が一番明るい場所だと。

    「ごっはん、ごっはん!」

    煌びやかな装飾やインテリアには見向きもせず、少年は大広間からキッチンへと繋がる扉へと一直線。
    屋敷の主に断りを入れずに向かう姿に、ルックは呆れる。腹を空かせているというデバフ(?)が掛かっているからとは言え、他人の住処で最初にやることが食糧を漁るとは……。
    この愚行が少年以外だったなら、ルックは容赦なく命を奪い屋敷の外に放る、といった恐ろしい手段に出ていたであろう。あな恐ろしや。

    「ルックー!ハンバーグとかないのー!?」

    呆れの値が高くなったせいなのかはわからないが、軽い頭痛に襲われていたルック。
    少しでも和らげようと、こめかみをゆっくりとした手付きで撫でていたところに降りかかる能天気な少年の言葉。それは彼の頭痛をより重いものにしてしまったのである。

    「……あるわけないでしょそんなの」
    「おーい!聞こえるー?ルックー?」

    ボソリと零れ落ちた言葉は少年に届かず。自分の声が聞こえていないと思ったらしい少年は、声量を更に増してルックへと投げる。
    その瞬間、ストレス値が限界突破まで伸びてしまいバリンと突き抜けるという、ブレイク状態へとなってしまうのであった。

    「あるわけないだろ!!」
    「えー!!ないの!?」
    「特に好きでもないのに進んで作るわけないだろ!!」
    「ぼくは大好きだよ!?好物の一つだよ!?」
    「へぇ?好物だということは今知ったんだけど?」

    やはり起こってしまった会話イベント(任意)。
    怒りを顕にし元凶が待つキッチンへと歩みを進めるルック。一分と経たずに着いた彼に気付いた少年は、視線だけではなく身体ごと向きを変える。ちなみに冷蔵庫は開けたままだった。

    「え?前に言ったよ!?」
    「フン、知らないね」
    「えー!ちょっと前に『好きな食べ物あるんですか?』って聞かれた時言ったじゃん!」
    「君の言うちょっと前と、僕の思うちょっと前とではズレがあるから」
    「意味わからん!ちょっと前はちょっと前だろ!」
    「なら具体的に答えてみなよ」
    「え、と……多分……3週間前……?」
    「何で疑問系なのさ」
    「……た、たぶん、あってるはず……」
    「……君と会ったことは覚えているけど、そんなこと言った記憶はないから、違ってるね」
    「あ、あれー……??」

    確証が持てなくなった少年の様子を見るに、ルックの優勢は決定的なものとなった。

    「ふぅ、また無駄な時間を過ごしてしまったよ」
    「うう……ううぅう……」

    頭脳戦において、言葉を巧みに使う少年吸血鬼に軍配が上がることは当然の結果と言える。余程の豪運が無い限り、少年が彼に口で勝利するのは難しいだろう。

    「ふーん」

    常にピンと立っている耳は垂れ下がり、誰が見ても物凄くへこんでいるとわかるくらい落ち込んでいる少年。そんな彼の姿に一ミリくらいの良心(少なっ)が働きかけたのか、はたまた鞭だけでは今後においてよろしくないと踏んだのか。
    勝者の余裕を携えたルックは少しだけトーンを抑えた声で放った。

    「……そんなに好きなら、作ってやってもいいよ」
    「!」

    へにょへにょ、という擬音がピッタリだった耳が元の姿に戻り、これでもかと言うくらいに打ちのめされ輝きを失っていた瞳に再び光が宿った。落ち込むのも早いが、復活するのも早い現金な少年である。
    ちなみに冷蔵庫は早く閉めろ!と警告音を出しているが、二人とも当然の如くスルー。

    「ほんと!?」
    「あぁ。でも今日は面倒だからやらないけど」
    「何だよそれ!?」

    甘い甘い飴を与えたのち、調子に乗って付け上がらないように軽く鞭を与える。
    少年吸血鬼による少年狼男の調教は、それはそれは見事なものだった。

    「……サラダと冷製スープあるだろ?それで腹の足しにしなよ」
    「あるけど……えー……?」
    「嫌なら食べなければ?」
    「食べる!!たーべーまーすー!!」

    ルックから冷蔵庫へと向きを変えた少年は、背後と顔に不満の二文字を携えて食糧を漁る。卵や野菜といった食材はそこそこあった。
    目当てものものと思われる大きめの皿と手のひらサイズの皿は上の方にあるらしい。
    よっと!と呟いて背伸びをし取り出して、目の前に下ろす。中身がサラダとかスープとわかった瞬間、少年の腹が早く!!と悲鳴を上げた。
    近くにあったテーブルに素早く置くと、一心不乱に平らげるのだった。

    「ったく……」

    食卓に持って行かずにその場で食べ始める彼を見て、冷蔵庫の扉を閉めていたルックはまたも呆れを見せる。
    黙っていれば上品且つ可愛らしい見た目に反して中身の品はまだまだ成長途中なのだと、改めて認識したようだ。

    「うーん!美味しい!」
    「ん、ありがと」
    「もっとある!?」
    「無いよ。冷蔵庫見ただろ」
    「卵と野菜……」
    「嫌だね」
    「ケチー!!」
    「そんなこと言う奴には……」
    「うわわわわ!!ごめんなさい!!」
    「まだ何も言ってないけど?」
    「言わなくてもわかる!!お仕置きとかだろー!?」
    「何?仕置きして欲しいの?そんな気分じゃなかったけど、君がどうしてもと言うなら」
    「ん、ん、んなわけあるかああぁぁぁああああーーーー!!!!」

    目を細めニヤニヤとSっ気たっぷりな邪悪な笑みを見せる吸血鬼に、ヤバい本当にお仕置きされる!!とパニック寸前の狼男。
    ……楽しい夜は、まだまだ続くようです。





    続く……??終わる……??
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