よくある昼の、よくある日常の、 例えばそれは、あり得たかもしれない——そんなよくある日常の一ページ。
「なあ、暇」
「暇って、貴方……」
不満そうにソファから、言葉を投げる光牙に樹は呆れた様な視線を落とした。
しかし、やることがないというのは、光牙からすれば間違いではない。
それは、樹も理解はしていた。
「じゃあ、家事手伝ってくださいよ」
洗濯物を抱え視線を送るも、『お断り』という様に、視線を逸らされる。
「ヤダ。今日、俺当番じゃねぇーし」
「暇、と言ったのは貴方でしょう」
[だって、暇じゃね? 朝陽は用事があるって出かけたし、青斗はバイト。ロイのやつは気がついたらどっか行ってた」
「気がついたら⁉︎ 一言もなく?」
「だから、暇」
[ロイは探しに行かなくて良いんですか?」
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