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    さらさ

    思い付いたのを適当に。

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    さらさ

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    朝思い付いた絵面から文字起こししたランロイ。珍しく甘め。

    ランディの肩に寄り掛かって眠るお疲れなロイドの話

    お疲れならば安らかに「ランディー、入ってもいい?」

     キーアは扉のノックと共にそう声をかける。彼女には探している人がいた。部屋にもおらず一階に降りたわけでもない。もしこの夜遅い時間に出掛けたとしたら行き先を知っているのではないかと思ったのだ。ややあって、扉の向こうから困ったような声で返事があった。――いいぜ、ただし静かにな。どういう事だろう、そう思いながらキーアは扉を開いた。

    「あ……」

    そこにはランディの肩に頭を乗せて眠る青年の姿――キーアの探している人物がそこにはいた。そっと扉を閉めて近付いても起きる気配はなく、そのまま本題の方へ移った。

    「そういやキー坊、何か用があったんじゃねえの?」
    「ロイドのがどこにいるか知らない?って聞きにきたんだけど……。えへへ、明日の朝でいいや」

    そう言いながら彼、ロイドの事を見た。最近何かと忙しくしていたし、休暇が取れるのはもう少し先の話。であるならば、こうして休む時間も彼には必要だろうとキーアは思うのだ。

    「キーアが明日話あるって言ってたってロイドに伝えてほしいな」

    それじゃあ、と部屋を出ていくキーアとその足音が止むと少し視線をロイドの方へランディは向けると意地悪そうな声音で口を開いた。

    「だとよ、ロイド」

    うっと言う声が聞こえると、その声のあとにロイドは目を開いた。

    「いつから気付いてたんだ?」
    「ま、キー坊が来た時にお前が起きてすぐだな」

    気付かれてたか、と溜め息をつくと不貞腐れたように乗せてた頭を持ち上げる。

    「起こしてくれても良かっただろ」
    「ばーかお疲れなお前を労いてーんだよ」

    そっと頭を撫でると少し拗ねたような表情ながらも何処か満更でもない雰囲気をロイドは漂わせていた。

    「なんならベッドまでエスコートしてもいいんだぜ?」
    「なっ……何言ってるんだよランディ!」

    少しは元気になったなと、安心するランディはそのままわしゃわしゃと頭を撫で回す。忙しいロイドが少しでも休めることを、彼は祈るしかなかった。

    (ま、俺の側で休めんならそれでいいだろ)

    未だ拗ねる彼の機嫌をどう取ろうか、今のランディが考えるべき事はそこにあった。

    【終】
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    さらさ

    CAN’T MAKE多分もう書かないと思われるオメガバースランロイの序章を見つけたので私のメンタル維持のためにあげておく

    バース性関係なく一緒にいたいαランディといつか来るだろう未来に諦めを抱いているβロイド


    このあとロイドくんがΩになっちゃっててんやわんやするんだろうなぁと思いつつも断念
     ずっと、思っている事がある。もしも自分がΩだったなら、この不毛な関係にも意味を持たせられたのではないかと。Ωとは第二の性にして産みの性。男女問わず妊娠し、出産する事が出来るのだ。そして対になる性、αと番関係を持つ事が出来る。俺には恋人がいる。ごく一般であるβの俺とは違う、約束された相手がいるはずのαの男だ。俺の心にどうしても惹かれたのだと言われるものの、俺には分かる。この関係にいつか終わりが来る事を。惹かれあう番に、俺が敵う筈もない。もし俺がΩだったとして、番になれるのなら。そんな叶いもしない願いを抱きながらいつか来る終わりに怯えながら今日も一日過ごすのだ。

     ずっと思っている事がある。もしも俺がβだったなら、愛している相手をこんなにも不安にさせなくていいのかと。言葉にはしてこないが、ずっと不安そうにしている事は気付いていた。恐らくそれは、俺の性に関係がある事だろう。俺が惹かれた相手はβだった。βというのは良くも悪くも普通で、実質第二の性がないようなものである。αやΩとは対極にいるような存在で、自分の意思で相手が決められる。俺達は結局フェロモンの匂いに充てられればいとも簡単に相手を変えてしまえるような最低な性だ、そんな相手と付き合っていられる精神性に最早脱帽だった。いつか運命やΩの匂いに充てられて今の恋人を捨ててしまったら。きっと俺は自分自身を殺したい程憎むだろう。仕方ないって笑うあいつの姿が目に浮かぶ。諦念を抱かせる位ならいっそ俺がβになるかあいつがΩになればいいのに。そんな叶いもしない願いを抱いて今日も一日人知れず怯えるあいつの背に歯噛みしながら過ごすのだ。
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