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    さらさ

    思い付いたのを適当に。

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    さらさ

    CAN’T MAKE多分もう書かないと思われるオメガバースランロイの序章を見つけたので私のメンタル維持のためにあげておく

    バース性関係なく一緒にいたいαランディといつか来るだろう未来に諦めを抱いているβロイド


    このあとロイドくんがΩになっちゃっててんやわんやするんだろうなぁと思いつつも断念
     ずっと、思っている事がある。もしも自分がΩだったなら、この不毛な関係にも意味を持たせられたのではないかと。Ωとは第二の性にして産みの性。男女問わず妊娠し、出産する事が出来るのだ。そして対になる性、αと番関係を持つ事が出来る。俺には恋人がいる。ごく一般であるβの俺とは違う、約束された相手がいるはずのαの男だ。俺の心にどうしても惹かれたのだと言われるものの、俺には分かる。この関係にいつか終わりが来る事を。惹かれあう番に、俺が敵う筈もない。もし俺がΩだったとして、番になれるのなら。そんな叶いもしない願いを抱きながらいつか来る終わりに怯えながら今日も一日過ごすのだ。

     ずっと思っている事がある。もしも俺がβだったなら、愛している相手をこんなにも不安にさせなくていいのかと。言葉にはしてこないが、ずっと不安そうにしている事は気付いていた。恐らくそれは、俺の性に関係がある事だろう。俺が惹かれた相手はβだった。βというのは良くも悪くも普通で、実質第二の性がないようなものである。αやΩとは対極にいるような存在で、自分の意思で相手が決められる。俺達は結局フェロモンの匂いに充てられればいとも簡単に相手を変えてしまえるような最低な性だ、そんな相手と付き合っていられる精神性に最早脱帽だった。いつか運命やΩの匂いに充てられて今の恋人を捨ててしまったら。きっと俺は自分自身を殺したい程憎むだろう。仕方ないって笑うあいつの姿が目に浮かぶ。諦念を抱かせる位ならいっそ俺がβになるかあいつがΩになればいいのに。そんな叶いもしない願いを抱いて今日も一日人知れず怯えるあいつの背に歯噛みしながら過ごすのだ。
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    さらさ

    MOURNINGアンケート結果のランロイ、連作というより融合作品になってしまいました。
    付き合いたての夜食にまつわる話の二人が、夜食を食べた後に二人で夜の街を歩いて話をして朝帰りする話。
    食が繋ぐ君とのこれから ロイドは時々ではあるが、夜食を作る。元々精神的なものからくる軽度の暴食の発散であったが、それを受け入れて以来はあまり作らなくなった。ただ時々口寂しい時はあるようで、ふとした時に起きてはスープやあまり胃に負荷がかからない様なものを作る事がある。今夜は、たまたまその日だった。そしてその時は抱えていた秘密を最初に知った男が必ずと言っていい程一緒にいる。ロイドが心に抱えていたものを真っ先に気付き、受け入れたのは他でもないランディであった。彼は境遇のせいか人それぞれ何かしらの事情があると思っての事だったが、その姿が余りにも痛々しい事から目を離せなくなってしまっていた。――それはやがて、恋へと変わり。ロイドがふらりと夜中に部屋を出て夜食を作っては暗い表情をする姿を見て、そんな顔をする位ならばやめればいいのにと何度も思った。だが食べている姿はどうにも好きで、目が離せなかった。転機が訪れたある日、ランディは思わず口にしてしまったのだ。そうやって食ってるロイド、俺は好きだぜ――と。勿論、うっかり口走ってしまったとは思った。だが相手は鈍感を通り越して朴念仁と名高く、人の好意にはとことん疎い。故にその言葉が告白として捉えられる事はなかった。相手が相手であるし、仕方ないとは思いつつも諦めていたが冷えるある日にどういう訳か一杯のホットワインで結ばれる事になってしまった。以来夜食には殆どお呼ばれされるし、気分じゃなく一緒に食べられない時でもロイドの食べる姿が好きなランディにとっては幸せ以外の何物でもなかった。
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    さらさ

    DONEクロリンwebオンリーのエア小話より「内容指定無しの更紗が書いたクロリン」です。
    12月に不安定になっちゃうリィンが今年はしっかりしなきゃと思いながらクロウにメールすることから始まるシリアスクロリン。



    ランディが出てくるのは私の趣味です(書き分け難しかったけど楽しかった)
    慣れぬくらいならその腕に ――冬、か。リィンは仕事が一段落した寮のベッドで、バタリと倒れながらそう思う。《黄昏》が終結してから三度目になるその季節に、そろそろ拭えていい筈の不安がまだ心の奥底で突き刺さっていた。

    「流石に通信は女々しいかな」

    流石に三度目ともなれば慣れなくてはならないと、彼は思う。今は異国を巡りながら情報収集やら遊撃士協会の協力者やらで忙しい悪友を、年末には必ず帰ってくる優しい人を心配させない為に。開いたり、閉じたりしてどうも定まらない思考をなんとか纏めようとする。

    「今年は帰ってこなくても大丈夫だって、言おうかな……」

    移動距離だってそんなに短くないのだ、忙しい時間を自分に割かせるには余りにも勿体無さすぎる。そもそも、帰ってくるという表現さえ正しいのかは分からないが。導力メールで今年は帰ってこなくても大丈夫だという旨だけ書いて送信して、そのまま目を閉じる。通信を告げる着信音がやけに遠く感じながら、リィンはそのまま眠りについた。
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    さらさ

    SPUR ME12月12日に出す予定の展示品を尻叩きとサンプルを兼ねて一章丸々アップ。こんな感じのクロリンの話が五感分連続していく感じです。シリアスが続きますがハピエン(にしてみせる!)

    ちなみにタイトルは全て「五感に関する部位のことわざ」を当てはめています。変わるかも。
    医者と味噌は古いほどよい リィンは《黒の工房》から救出されて以来、違和感に気付いた。《巨イナル黄昏》より前に感じ取れていた味が、分からなくなっていたのだ。一か月近く食事をしていなかったこともあり気付かなかったが、しばらく食べているうちにようやくその違和感に辿り着いた。原因は分からないが、相克に向かうこの状況で他の心配事を出来ればリィンは作りたくなかった。だから、黙っている事にした。――目に見えて減っている食事量を前に、既に全員が気が付いているだなんて思わないまま。

    「そういうワケでクロウ、よろしく」
    「いや待て、どうしてそうなる」

    セリーヌとデュバリィに足止めさせて始まる新旧Ⅶ組大会議。答えは出ているも同然だったが、それでも認識の擦り合わせが必要だと集まったのだが。驚く程分かりやすいリィンの事だ、擦り合わせる間でもなかったが。それが分かれば押し付ける先は一つしかない。フィーの直球な言葉にクロウは予想もしていなかった為狼狽えた。リィンは無自覚ではあるが彼に甘える。そしてクロウは彼が甘えてくる自覚はあれど甘えさせているという自覚はなかった。何も自分に持ってくることはないだろうに、それがクロウの言い分だがそれに呆れている様子もまた感じ取っている事もあって困っている。
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    さらさ

    DOODLE前から言ってる余命宣告系ロイドのランロイ
    ロイド余命宣告→ランロイくっつく→ランディにバレる→別れ話
    の順番の予定。ランディがミリも出てこない序章です。続かない(私のデータは続くかもしれないが)
    別れ切り出しても看取ると言って譲らないランディまでは心の中で書きたい。
    「さて、話した通りだが……。私個人としてはこのまま入院を勧める」
    「結果は変らないんですよね?」
    「ああ。だが多少長らえる事は出来るが……どうする、ロイド・バニングス」

     ウルスラ病院のとある診察室。体に不調を覚え一度診て貰おうとやって来たのだが、状況は余りにも深刻だった。彼女――セイランド教授が言うにはそう時間が残されていないらしい。レアケースの病状である事、地下で潜伏していた頃には既に発症していた可能性。そして一部臓器に傷が見られる事を考えると一年持てばいい方だと言う。その上で彼女は問う、どうするのかと。だが結果が提示されている以上、ロイドの答えは一つしか残されていない。最期まで《特務支援課》の一員としてクロスベルの為に足掻き、支える事。その為ならこの命は惜しくないとさえ言える。その事を伝えれば、セイランド教授は呆れたように溜め息をついた。彼女もロイドを知って数年になるが、意思の固さはそれなりに知っていたし聞かされていた。最初から分かり切っていた答えであったとはいえ、医者としてはやりきれないのだが。
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    さらさ

    DOODLEいい夫婦の日にかこつけて書こうとした一ミリも要素がないランロイ。「そのボトルはいつの日か」の二人が約束の指輪を買いに遠出をする糖度高めの話です(当社比)

    指輪は一応普段はつけていて、確実に戦闘があるような支援要請(手配魔獣とか)は外してチェーンを通して首から下げてます。それでも互いにグローブの下につけてるため余程の事がない限り気付かれない。



    えっちはありません。
    約束の輪は永劫に「二人とも、たまには遠出をしたらどうかしら?」

     ある夜、エリィから出た突拍子もない一言にランディもロイドも唖然とした。纏まった休みを取るのが中々難しい職であるし、更に特殊な部署ともなれば難易度が上がる。二人のデートスポットが近場になってしまうのも必然であった。故にデートする時間がなかったともなれば、エリィやティオ達がその時間を作ってあげたいと思うのも当然の事だった。帝国の占領下にあっても燻らせた想いが成就したのもつい最近の話だ。お泊まり前提のデートがあってもいいと思うのだ。

    「休暇は明日と明後日で既に申請済みですので、どうぞ心行くまでいちゃついてください」

    なんともまぁ投げやりで彼らも呆気に取られたが、滅多にない機会だからと二人で出掛ける事になった。
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    さらさ

    MOURNINGランロイハロウィン。街中でハロウィンを楽しむカップルたちを見て羨ましくなった忙殺ランロイ夜にそういう期待をする話。
    残念だったなえっちはないぞ!
    悪戯に期待 昨日から今日にかけての支援課は大忙しだった。ハロウィンという賑やかなお祭りに際して足りない人手を埋めるかのように寄せられてくる支援要請。あちらこちらへと走り回っているような状況で、落ち着いたのは夕方になってやっとだった。そういった賑やかさは平和の証拠だろうと、ロイドは実感している。――一騒動の末に実現した、クロスベルの再独立。まだ半年程しか経っていないが人々の活気を取り戻すには事足りる時間だったのだろう。まだ不穏な話もいくつか出ているし、最近は共和国も勢力を伸ばしていて油断できるような状況ではないのだが。それでも、最後まで壁を足掻いて乗り越えると決めている。シズクと共に仮装して街中へ繰り出していったキーアも楽しそうであったしなどと思いながら今日の支援要請の内容を纏めていた。そしてふと思う。支援課が発足してからハロウィンは初めてではないか、と。とてもそういう事をしていられる情勢ではなかったし、何かと慌ただしかった。だから、だろうか。ハロウィンにこじつけたような恋人同士の触れ合いがあると今日聞いてからずっと期待してしまっている自分がいると、感じてしまうのは。
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    さらさ

    SPUR MEいつかどっかで出すぞ!っていう現パロランロイ。互いにニチアサの特撮を何かしら推してる二人がひょんな事から一緒に暮らし始める序章。

    この後は成人して社会人になってからの二人を描く予定
    始まりはゼロから 事の起こりはロイドの兄、ガイが彼女のセシルと同棲を始めたいという話からだった。昔から知らない仲ではないし、兄が警察官として働き始めた頃はご近所であったノイエス家が頼みの綱であった故にどんな人かはロイドも熟知している。だが実際交際を始めたと聞いた時はモヤモヤしたものだし、今でもよく分からない感情に苛まれる事も多い。それによく知る仲とは言えど弟が同じ家にいるのもどうかと冷静に思ったのだ。

    「そう言うわけなんだけどランディ、警察学校に入るまでの間でいいから置いてくれないか?」

    だからと言ってどうしてそうなる、というのが前述の事を聞いたランディの感想であった。彼もノイエス家は兎も角、ガイとは知らない仲ではない。ロイドが小学生の時から付き合いのある三つ上の兄貴分で親友でもあり相棒でもある。元々施設育ちだった彼を就職と共に連れ出した事も知っていたし、その後もバニングス兄弟との交流も途絶えてはいない。だがそれは少し困るのも本音だ。理由は二つある。一つは自分がロイドにランディが片想いしている事。自分もまだ若い盛りなので何か過ちがあったら迷い無く死ねる。というかその場で自殺しようとする自信が彼にはあった。出来れば自分の理性の為にもやめて欲しい。そしてもう一つの理由は、とある部屋に保管してあるDVDとBlu-rayディスクの事である。出来ればその趣味だけは知られたくないし、勧めたくともお勧めし辛いものである。――ランディ改め、ランドルフ・オルランド。二十一歳にして駆け出しのスーパー戦隊オタクである。
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    さらさ

    MAIKING実は出発点はちっこくなったロイドだったという。どうしてそうなった。
    エリュシオンの遺物として残っていたロイドそっくりのホムンクルス(というか多分まんま複製で幼くした)を某場所で見つけたロイドがひょんな事から体を明け渡されて子供からまたやり直す話。
    ランロイにしたいけど余りに特殊すぎてどうしてみようもないけどとりあえず冒頭だけ。タイトル未定
    「まだ、だ……!」

     ロイドの体力も意識も、限界に近かった。そんな時だった、何処からか声がする。強い光がロイドを包む。

    「どうか僕の体を使ってくれ。僕がこのまま自我をもつより君が僕の体を使った方が世界の為だろう」

    そんな声が聞こえた。何の事だろう、そういえば自分は何を見て――?薄れる意識の中で先程までの事を思い返す。事の始まりはある一つの支援要請だった。

     クロスベル再独立から一段落して通常業務へと戻って三ヶ月経った頃だった。エリュシオンの遺物が残っていないか調査して欲しいという匿名の支援要請が入ったのは。誰のものかはおおよそ予想がついたし、今後影響がないとも限らない。調査範囲が広いことから手分けする事となったのだが、ロイドは一人で太陽の砦の捜査に当たったのである。諸々曰く付きである事から後でツァイトも合流する手筈になっていたのだが、予想外の事が起こった。
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    さらさ

    MOURNINGリハビリがてらいっぱい食べるロイドくんの話を書こうとしてなんか間違ったやつ。息をするようにシリアスしてます
    心持ちラン→(←)ロイのつもり。
    こっそり夜食を食べるロイドくんというよくわからないけど個人的には見たかったやつ
    我慢せずそのままで。「ロイドさん、案外よく食べますね?」
    「そうか?んー兄貴の影響かなぁ」

     再独立から数ヶ月、偶々オフでキーアと共に苦手分野であるお菓子作りをしていたロイドは事務処理の応援から戻ってきたティオの指摘に首をかしげた。確かに時々こっそり夜食を作ったりはしているし、否定できる要素はないのだが。意外性として捉えられているのは少し心外だった。そういえば、と教団事件の少し後の事をロイドは思い出す。同じ様なことを言われたことがあるな、と。

    「前にランディにも同じ事言われたっけ」
    「ランディさんにですか?」

    ティオが聞き返してくるのに、頷いてロイドは話し始めた。

     教団事件からしばらくして。ランディが警備隊に一時復帰する話が上がった夜の事だった。ふと小腹が空いて夜食を作ろうとこっそり部屋を出た時だった。隣から同時に扉が開く音がする。ロイドはふとその方向を見ると、少し考え込んだような表情をしているランディがいた。
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    さらさ

    DONEリクエストより「クロリンで指輪交換」でした。指輪を交換した勢いで誓ってもらいました。場所が場所だけどね!

    リクエストありがとうございました!
    誓いの環をその指に「買って、しまった……」

     十二月もまだ初旬、たまたま帝都に出たという理由だけで散策して見つけたシンプルな指環。ああ、あいつに似合いそうだと思ってうっかり買ってしまった物だったがこれを渡せる程の関係でもないという事は彼――リィンも分かり切っていた。一応、お付き合いしている関係ではある。だが余りにも空白の時間が長すぎた事、戦後の事後処理に追われて時間が取れない事が相まってしまい未だ実感が湧かないのが現実であった。だからこれは余りにも早すぎるというもので。そっとコートのポケットへと仕舞ったのだった。

    「やべぇ、買っちまった……」

     同時期、別の男もまた同じ事をしていた。たまたま見つけた最低限の装飾しか施されていない指輪。ああ、あいつの指にはめてしまいたいだなんて思っているうちに買ってしまった代物である。お付き合いを始めてそろそろ三か月、今度こそ手を離さないと誓ったものの状況がそれを許さなかった。彼らは別々の場所で必要とされ、帝国内を東奔西走するような日々である。言ってしまえば魔が差したようなものだと、彼――クロウは思う。なんせ相手は天性の朴念仁で人タラシ、所有痕の一つや二つ残しておかねば相手が近寄ってくる始末だ。その状況に頭を抱えていたのは事実だが、かといってここまでするつもりはまだ毛頭なかった。
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    さらさ

    MAIKING今度のファルコムオンリーで出すランロイの冒頭が仮としてできたので、とりあえず尻叩きと解釈問題がないかのテストを兼ねてアップ。ロイドは一切出てこないけど、ここからランロイになっていく感じ。碧絆のボトルキープの話から、創後にその酒を交わすまでの話を予定してます。


    ところでなんで私の書こうとするランロイはロイドが死ぬかランディが乙女かの二択なんだ?????
    そのボトルはいつの日か(Ⅰ.赤は自覚する)「事件が一段落付いたら裏通りのジャズバーに行こう。そこで、新しい酒をボトルキープしないか?」

     できればもう少し、おとなしめのヤツをさ。そんな事を言って目の前の青少年――ロイドは笑う。思わぬ言葉に、ランディは一瞬面食らった。自分がうっかり滑らせてしまった口から決めた覚悟だ、そう大層なものではないという自負はあるしひかれても仕方ない話でもあると思っている。このラム酒にしたってそうだ、結局引き摺ったままずっと空にできなかった代物である。一緒に飲んで欲しいという我儘ともいえるそれを聞いてくれた上で、別の酒をボトルキープしようだなんて先の話をしてくれている。以前教団事件の時も、自分の過去を話しても引いたと正直に告白した上でお互いを知ってこその相棒だと言うのだ。自分のいた世界とは別物だろうに、真っ直ぐになんの世辞でもなくそんな言葉をぶつけるのだ。そんなロイドに、ランディが返せる言葉はただ一つだった。
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    さらさ

    MOURNINGフォロワーさんのネタをサルベージした一品。二パターンのうちの一個。曰くフォロワーさん的にはこっちがお望みだったようなのでこちらを先にアップ。
    でも本当に様になるねこの男は。

    尚そんなに活躍していない偽名は、私の趣味です(特にローデリヒ)
    踊ってください、愛し君「あれが例のターゲットか」
    「そうみたいだな。さぁて、どうしてやろうか」

     帝国のとある貴族邸にて。一時期帝国とクロスベルを行き来していた偽ブランド商がこの屋敷にて開かれる夜会に紛れてどうやら密談を行うらしい。そこでクロウとリィンには穏便な形での取り押さえるという依頼が舞い込んできたのである。相談した結果、ターゲットが女性である事とクロウ曰く二人そろって見目もいい事から凝った変装は必要ないだろうという事になった。ただリィンの場合は顔と名前を知られすぎているので、一工夫必要だとクロウの手によって好き勝手され。ラウラやユーシス、時間が出来たからと顔を出したミュゼの審査を受けてようやく目的地に辿り着いたのだが。如何せん、そこまでの振り回されたこともあって少々疲弊していた。潜入捜査に男二人は流石に目立たないだろうかとは思ったものの、その手のプロから珍しい事ではないとのアドバイスをもらったので女装させられるよりはましかと腹を括った。
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    さらさ

    MOURNING「何かあって不機嫌そうなクロリンが戦闘では息ピッタリな話」の続き。やっとくっつきます。
    付き合ってないのに痴話喧嘩は犬も食わない リィンとクロウの不仲騒動から数時間。第五階層の最奥まで回って《円庭》に戻ってきた面々は二人を除いて疲れ切った表情をしていた。余りにも不毛な痴話喧嘩、それでいて付き合っていないというのだから手に負えない。瞬く間にそれは広がり、新旧Ⅶ組は総出で溜息をつき、他の面々も事情を察したように苦笑いをしていた。一部生温かい目で見る者もいたようだが。

    「全く、本当にいいのかい?リィン君だって同じ気持ちを持っているのだろう?」
    「……あいつには悪いが、応えられるほど真っ直ぐじゃねぇんだ」

    テーブルを囲って、かつて試験班だった面々がクロウに詰め寄る。アンゼリカの言葉に彼は首を振った後、真剣に迫ってきたリィンの事を思い出す。構えば構う程、愛情と執着心そして独占欲が生まれ、その度にクロウは己を律してきた。果たしてそれは必要か、と。必要であるならばいくらでも利用できる。だと言うのに彼の場合はどうだ、根も真っ直ぐでたくさんの人から慕われている。そんな彼を利用するだなんて出来ないし、したくもなかった、これはフェイクでも何でもない本音であった。未だに《C》だったころの話も出してネタにするのは正直言ってやめて欲しいのだが。
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    さらさ

    DONEエア小話 リクエストが指定なしとの事だったので
    「何かで互いに対して不機嫌そうにしてるクロリンが戦闘でも息ピッタリな話」
    です。リクエストありがとうございました。
    「……なんか、今日のクロウ機嫌悪くない?」
    「心なしか、リィンさんの機嫌も悪いような気がしますね」

     真・夢幻回廊、第五階層。最前線で戦うクロウとリィンを遠目に、後方支援役のエマとエリオットはそんな話をしていた。いつもだったらベタベタと言っていい程に距離が近いのが、二人ではありえないほどの常識的な距離だったし先程から二人で一度もリンクを繋いでいないのだ。一体何があったというのか、二人の様子を観察するにしても普段は砂糖を吐きたくなるほどドロドロに甘く見ていられないというのが新旧Ⅶ組どころか特務支援課他遊撃士等々の面子が出した結論だった。下手をしたら馬に蹴られかねない。そんな甘さを微塵も感じさせないまま、次から次へと魔獣を伸していく二人には最早感心せざるを得なかった。

    「なんというか、喧嘩したのか?」
    「それはあり得るかもしれないわね。でも……」

    サブメンバーとしてついてきているガイウスとエステルの視線は少し離れたところで戦闘を仕掛ける二人に向けられる。リンクはエマがリィンと繋ぎ、クロウはエリオットと繋いでいる。ダメージを受けることなく終わらせてしまうので、あまり意味がないのだが。
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    さらさ

    MOURNING『瞳の交換』

    Q.何日遅れましたか?
    A.三日です(大遅刻)
    バレンタインデーの続編のつもりで書いたクロリン。ホワイトデーの昼から夜にかけた二人の話。
    「よっす、トワ。リィンいるか?」

     三月十四日、世間ではホワイトデーと呼ばれる日。バレンタインデーのお返しをする日と言われる今日は、当然のごとくクロウは先月から晴れてお付き合いを始めた恋人の所に顔を出す――つもりでいた。しかし、尋ね人はどうやら不在らしく。

    「今日は自由行動日だし買いたいものがあるからって、帝都に行ったみたいだよ。珍しいよねぇ」

    トワの言葉にクロウは同意する。何せ、自由行動日ともなれば率先して依頼を引き受けては忙しなく動く性分なのだから。だからこそ、これは珍しい。

    「今日はホワイトデーだし、クロウ君が来るのは予想してると思うけど……。先月の事、まだ気にしてるのかなぁ?」
    「ああ、あの赤飯事件な……」

    東方に伝わるという不思議な風習に倣って、勘のいい生徒の一部が赤飯を炊いた事件があった。勿論、ある程度東方由来の文化に通じている当事者がその意味を知らない筈もなく。その場で倒れてしまい大騒ぎになってしまった。分校中に広まってしまったそれは彼にとっては勿論羞恥以外何もなく。主導者が彼の教え子だった事もあり、新Ⅶ組を中心にその話題は御法度となった。ただ、そうなる前にクロ 3650

    さらさ

    MAIKING『蒼穹の灰燼』(ページ数未定/B6サイズ/無料配布/BoothでのDL頒布を予定)

    真EDのクロウとノーマルEDのリィン(五十鈴)が現代日本らしきどこかで出会って、因果の違いを受け入れてくっつくまで。(閃Ⅳ後、創なし)

    何ページになろうと無料配布です。尻叩きのために1章後半をアップします。
    Ⅰ.あの花は知っていたのだろうか
    (前略)
     引き取られてから季節は幾度となく過ぎ、クロウは十六で世話になっているシュバルツァー家を離れて特に理由もなく日本に留学した。そうは言いつつもシュバルツァー家は彼の事を気にかけているし、長期休みになれば唯一実子であるエリゼが遊びに来る。彼は人付き合いも得意であることから退屈はしていなかった。心にある空洞に目をそらしたままではあるが。三度目の春を迎え、進路の選択を迫られている訳なのだが今のクロウに将来を考えるような気力は残されていなかった。

    「――で、どこだろうここ」
    「うーん、わからないな……」

    話し声にそっとクロウは聞こえるほうに目を向けた。まだ制服姿がぎこちない二人の少年が辺りを見回しながらどこかを目指しているようだった。季節も季節だし、新入生だろうとは思ったのだが。どちらともなんとなく見覚えがある気がして少し目を凝らす。ふと、クロウは片方の少年に目を向けてしまった。初めて出会った頃と同じような体格に、癖のある黒髪。距離があって見えないが、その姿はかつて彼が大切にしていた人を思い出させる。起き上がって彼の元に駆け寄ると、思わず手首を掴ん 1371

    さらさ

    MOURNING閃Ⅰでの8月の自由行動日、例のイベントで香水の匂いが移ってしまった後の話
    無自覚だった恋心を自覚してしまうクロ→(←)リン

    いつか続きは書きたい
    『ラベンダーの誘い』

     その日の夜、話題になったのはリィンがどこかの女性に迫られて香水の移り香をつけて帰ってきたという事だ。発端は委員長ちゃんだったが、それは瞬く間に第三学生寮へと広まっていった。女性陣から詰め寄られているのを遠目に、匂いはラベンダーだったと聞いたことを思い出す。この近郊で、ラベンダー。そして今日は日曜日。そのピースが揃ってしまうと嫌でもあの魔女の姿を思い出す。全く、純朴な青年に一体何をしているのやら。からかいついでにリィンに近付いてみれば、確かに思い浮かべた人物が使っている香水と同じ匂い。曰く、彼女の使う香水のラベンダーは特殊なものだそうで。俺で遊んでいるというのを嫌でも分かってしまう。

    「いやぁ、まさかリィンがそんな風に迫られちまうとはなぁ」
    「だから違うって言ってるじゃないですか」

    正直、腹が立つ。その反応さえも面白がられているのだから、余計に。そこでふと、どうして自分が腹立たしく思ったのかを考えてしまった。ただの後輩、今はクラスメイト。お人好しで他人優先、自由行動日や放課後に何もしない彼を見たことはない。危ういバランスの上で成り立ついたいけな青少年、それだ 904

    さらさ

    MOURNING遅刻大魔王によるすったもんだクロリンがバレンタインデーにくっついて分校全体に知られるまで。ポイピク練習も兼ねてる舌先の魅惑


    「え、え~!?クロウくんにチョコレートあげてないの!?」

     トワの素っ頓狂な声が、第Ⅱ分校の食堂に響き渡った。七耀歴1208年、2月。もうすぐバレンタインデーだ、食堂やら寮のキッチンを貸し切っての菓子作りに女子生徒たちが浮足立っている。去年の同時期と言えばクロスベル解放作戦当日だ、直接参加した訳ではないとは言えど親しみある教官と生徒が参加するともなればムードもそれどころではなかった。実質、今年が初めてのトールズ第Ⅱ分校バレンタインデーである。男子生徒も一部落ち着かない様子ではあるが、それも今更と言ってしまえばそれまでなのだが。ともあれ、青春では割とお約束のイベントが差し迫ったことを踏まえ、生徒たちの押しに負けて食堂にやってきたリィンなのだが。

    「えっと、俺はクロウとは何もないですしチョコレートもあげてませんよ?」

    という言葉で冒頭に戻る。指し手であるミュゼでさえ予想外だったその回答に、誰もが頭を抱えた。この朴念仁め、は共通の認識であるが故に誰も口には出さないが。

    「で、でもでも!リィン教官はクロウさんのこととても好きですよね!?」

    ここでもユウナから容赦ない一 4406