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    さらさ

    思い付いたのを適当に。

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    さらさ

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    いい夫婦の日にかこつけて書こうとした一ミリも要素がないランロイ。「そのボトルはいつの日か」の二人が約束の指輪を買いに遠出をする糖度高めの話です(当社比)

    指輪は一応普段はつけていて、確実に戦闘があるような支援要請(手配魔獣とか)は外してチェーンを通して首から下げてます。それでも互いにグローブの下につけてるため余程の事がない限り気付かれない。



    えっちはありません。

    約束の輪は永劫に「二人とも、たまには遠出をしたらどうかしら?」

     ある夜、エリィから出た突拍子もない一言にランディもロイドも唖然とした。纏まった休みを取るのが中々難しい職であるし、更に特殊な部署ともなれば難易度が上がる。二人のデートスポットが近場になってしまうのも必然であった。故にデートする時間がなかったともなれば、エリィやティオ達がその時間を作ってあげたいと思うのも当然の事だった。帝国の占領下にあっても燻らせた想いが成就したのもつい最近の話だ。お泊まり前提のデートがあってもいいと思うのだ。

    「休暇は明日と明後日で既に申請済みですので、どうぞ心行くまでいちゃついてください」

    なんともまぁ投げやりで彼らも呆気に取られたが、滅多にない機会だからと二人で出掛ける事になった。

    「何処か行きたい所はあるか?」

     翌日からの休暇に二人は悩む。元々計画していなかった休日であったし、遠出と言われてもピンと来ない。どうせだったらしっかりと行き先も決めてから休暇を取りたかったが、それでは埒があかないと思われたのは容易に想像がついた。

    「うーん、そう言われても急だったしなぁ。ランディは?」
    「……指輪、見に行かねえ?どうせならすんげぇイイやつ」

    嵌める約束、しただろ?と指先をなぞられうるさい位に鼓動が鳴っている。時々見せる仕種がかっこよくて時々慣れない自分がまだいる。

    「……行く」

    心当たりはあるらしく、少し長距離の移動になると言われたがロイドはすぐに頷いた。そうして翌朝を迎える。

     早朝のクロスベルから、列車で帝国へ。一度ケルディックで乗り換えた後に降りた先はバリアハートだった。宝石加工で有名な職人街もあり、装飾品を手掛ける職人も多いのだという話をランディから聞いたロイドは納得したように頷いた。二人の指輪、そう思うだけで緊張してくる。

    「緊張してんな?」
    「当たり前だろ?だってお揃いのものを嵌めるんだからお互いが似合うものじゃないとダメだろう?」

    恥ずかしげに目をそらすとランディは一瞬面食らったあと、ロイドの頭を撫で回した。

    「大丈夫だ、だから気軽にいこうぜ?」

    ランディの言葉に頷くと、駅から真っ直ぐ職人街へと向かった。

     指輪は案外あっさり決まった。飾り気のない、シンプルなストレートの指輪。サイズは近しいものを加工できるとの事だった為、夜まで待つ事になった。まだ昼過ぎで時間もある。どうしようかと相談した後、二人でケルディックの大市を見てみようという話になったのだ。――列車ではなく徒歩で。

    「これだったら二人でも難なく突破出来そうだな」

    街道の様子を見てそう言うと、ランディは少し考えた後にニヤリと笑う。

    「ああ。なんなら久々にあれやるか?」

    あれ、そう言われて思い出すのはアークスになってから使う機会のなかったコンビクラフト。確かに難なく突破出来るとはいえ、効率良く進みたいのは確かだ。何より久々のコンビクラフトだ、舞い上がらない筈もなく。

    「ああ、やろう!」
    「よっしゃ、そう来なくちゃな!」

    そうして二人は得物を手に街道を突き進んでいったのである。要領はこうだ。まずどちらか一方が崩す。その後アークスの機能の一つであるラッシュを利用してコンビクラフトを叩き込む。感触はやってみないと分からないが、やってみる価値はあると思う。ロイドの提案にランディは乗っかった。

    「行くぜ、ロイド!」
    「いつでも来い!」
    「「バーニングレイジ!!!!!」」

    思った以上に上手く行きすぎて、手配魔獣とは知らずに二人で撃破してしまう程だった。駆け付けたとある遊撃士は後から語る。――凄く見せつけられた気がする、やれやれだね。

    「うん、皆へのお土産はこんなもんかな」

     流石大市なだけあって、様々な物がケルディックに集まっていた。キーア達の土産にもちょうどいいものが沢山あり、どれにしようか悩む程だった。――そのロイドの横顔を見てランディは楽しんでいた、とは口が裂けても言えないが。

    「そうだな。これなら列車で戻った方が良さそうだな」

    差し出された手に、こういうのもたまには悪くないなとロイドはその手を取る。そうして二人は列車に乗ってバリアハートへと戻るのだった。

    「ランディ、俺今凄くドキドキしてる」
    「ロイド?」

    列車の中でポツリとそう溢したロイドに、ランディは首を傾げる。無論自分も彼の一挙一動が愛しくて理性との戦いになっている所だというのに、そんな事を言われては敵わない。

    「今日みたいに丸一日を二人で過ごす事もそうないし、その……。この後指輪も受けとるだろう?本当にランディだけのものになったんだなって実感したら止まらないんだ」

    恥じらうように言うものだから、ランディの我慢もそろそろ限界だった。だがグッと堪えて唇へのキスへ留めると、耳元で囁いた。

    「後で覚悟してろ」

    ロイドは真っ赤になりながらもその言葉に頷いてはにかんだ。

     指輪を受け取って、宿酒場で一部屋取ることが出来て落ち着いた頃。二人は指輪を交換した。互いの左手の薬指に嵌まると、互いに安堵したような息をついて口付けを交わした。夢みたいだとランディが思っていると、ロイドは恥ずかしそうにしながらも言う。

    「確かめてみるか?」

    その熱をもって現実か否か、それは以前にも言われた事のある言葉で。考えている事もお見通しだろう、将又同じ事を思っているのか。覚悟しろと言った手前ランディは引くつもりもないし、それはロイドも同じだった。ベッドへ押し倒された彼に再び口付けると、それを合図に二人はそのまま溺れていった。

    「あ、ロイド!ランディも!おっかえりー!」

     二人がお昼過ぎに支援課へ戻ると、留守番していたキーアが出迎えた。いつものタックルを受け止めると、昨夜の腰の痛みがロイドを襲う。それでも平静を装って、彼女の頭を撫でた。

    「おお、良いタックルだなキー坊」
    「っと……。ただいま、キーア。二人は?」
    「支援要請に行ったよ!お昼ゴハンまだだし、もうすぐで戻ってくるんじゃないかなぁ?」

    端末で支援要請を確認する。どうやら市内で周っているらしい。場所と数を考えても彼女の言う通りそろそろ戻ってくる時間だろう。

    「なら、昼飯の準備して待ってるか」
    「ああ、そうだな。ランディ、手伝ってくれるか?」

    そう言ってキッチンへ姿を消す二人を見て、キーアは小さく笑う。帰ってきてから彼らの距離がより近くなったような気がするのだ。その話をエリィとティオにしてジト目で見られるのがこの数分後である事はロイドとランディは勿論の事、キーアに残された僅かな力をもってしても予想し得ないのであった。

    【終】
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    さらさ

    CAN’T MAKE多分もう書かないと思われるオメガバースランロイの序章を見つけたので私のメンタル維持のためにあげておく

    バース性関係なく一緒にいたいαランディといつか来るだろう未来に諦めを抱いているβロイド


    このあとロイドくんがΩになっちゃっててんやわんやするんだろうなぁと思いつつも断念
     ずっと、思っている事がある。もしも自分がΩだったなら、この不毛な関係にも意味を持たせられたのではないかと。Ωとは第二の性にして産みの性。男女問わず妊娠し、出産する事が出来るのだ。そして対になる性、αと番関係を持つ事が出来る。俺には恋人がいる。ごく一般であるβの俺とは違う、約束された相手がいるはずのαの男だ。俺の心にどうしても惹かれたのだと言われるものの、俺には分かる。この関係にいつか終わりが来る事を。惹かれあう番に、俺が敵う筈もない。もし俺がΩだったとして、番になれるのなら。そんな叶いもしない願いを抱きながらいつか来る終わりに怯えながら今日も一日過ごすのだ。

     ずっと思っている事がある。もしも俺がβだったなら、愛している相手をこんなにも不安にさせなくていいのかと。言葉にはしてこないが、ずっと不安そうにしている事は気付いていた。恐らくそれは、俺の性に関係がある事だろう。俺が惹かれた相手はβだった。βというのは良くも悪くも普通で、実質第二の性がないようなものである。αやΩとは対極にいるような存在で、自分の意思で相手が決められる。俺達は結局フェロモンの匂いに充てられればいとも簡単に相手を変えてしまえるような最低な性だ、そんな相手と付き合っていられる精神性に最早脱帽だった。いつか運命やΩの匂いに充てられて今の恋人を捨ててしまったら。きっと俺は自分自身を殺したい程憎むだろう。仕方ないって笑うあいつの姿が目に浮かぶ。諦念を抱かせる位ならいっそ俺がβになるかあいつがΩになればいいのに。そんな叶いもしない願いを抱いて今日も一日人知れず怯えるあいつの背に歯噛みしながら過ごすのだ。
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    さらさ

    DONEエア小話 リクエストが指定なしとの事だったので
    「何かで互いに対して不機嫌そうにしてるクロリンが戦闘でも息ピッタリな話」
    です。リクエストありがとうございました。
    「……なんか、今日のクロウ機嫌悪くない?」
    「心なしか、リィンさんの機嫌も悪いような気がしますね」

     真・夢幻回廊、第五階層。最前線で戦うクロウとリィンを遠目に、後方支援役のエマとエリオットはそんな話をしていた。いつもだったらベタベタと言っていい程に距離が近いのが、二人ではありえないほどの常識的な距離だったし先程から二人で一度もリンクを繋いでいないのだ。一体何があったというのか、二人の様子を観察するにしても普段は砂糖を吐きたくなるほどドロドロに甘く見ていられないというのが新旧Ⅶ組どころか特務支援課他遊撃士等々の面子が出した結論だった。下手をしたら馬に蹴られかねない。そんな甘さを微塵も感じさせないまま、次から次へと魔獣を伸していく二人には最早感心せざるを得なかった。

    「なんというか、喧嘩したのか?」
    「それはあり得るかもしれないわね。でも……」

    サブメンバーとしてついてきているガイウスとエステルの視線は少し離れたところで戦闘を仕掛ける二人に向けられる。リンクはエマがリィンと繋ぎ、クロウはエリオットと繋いでいる。ダメージを受けることなく終わらせてしまうので、あまり意味がないのだが。
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    さらさ

    MOURNING「何かあって不機嫌そうなクロリンが戦闘では息ピッタリな話」の続き。やっとくっつきます。
    付き合ってないのに痴話喧嘩は犬も食わない リィンとクロウの不仲騒動から数時間。第五階層の最奥まで回って《円庭》に戻ってきた面々は二人を除いて疲れ切った表情をしていた。余りにも不毛な痴話喧嘩、それでいて付き合っていないというのだから手に負えない。瞬く間にそれは広がり、新旧Ⅶ組は総出で溜息をつき、他の面々も事情を察したように苦笑いをしていた。一部生温かい目で見る者もいたようだが。

    「全く、本当にいいのかい?リィン君だって同じ気持ちを持っているのだろう?」
    「……あいつには悪いが、応えられるほど真っ直ぐじゃねぇんだ」

    テーブルを囲って、かつて試験班だった面々がクロウに詰め寄る。アンゼリカの言葉に彼は首を振った後、真剣に迫ってきたリィンの事を思い出す。構えば構う程、愛情と執着心そして独占欲が生まれ、その度にクロウは己を律してきた。果たしてそれは必要か、と。必要であるならばいくらでも利用できる。だと言うのに彼の場合はどうだ、根も真っ直ぐでたくさんの人から慕われている。そんな彼を利用するだなんて出来ないし、したくもなかった、これはフェイクでも何でもない本音であった。未だに《C》だったころの話も出してネタにするのは正直言ってやめて欲しいのだが。
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    さらさ

    MOURNINGフォロワーさんのネタをサルベージした一品。二パターンのうちの一個。曰くフォロワーさん的にはこっちがお望みだったようなのでこちらを先にアップ。
    でも本当に様になるねこの男は。

    尚そんなに活躍していない偽名は、私の趣味です(特にローデリヒ)
    踊ってください、愛し君「あれが例のターゲットか」
    「そうみたいだな。さぁて、どうしてやろうか」

     帝国のとある貴族邸にて。一時期帝国とクロスベルを行き来していた偽ブランド商がこの屋敷にて開かれる夜会に紛れてどうやら密談を行うらしい。そこでクロウとリィンには穏便な形での取り押さえるという依頼が舞い込んできたのである。相談した結果、ターゲットが女性である事とクロウ曰く二人そろって見目もいい事から凝った変装は必要ないだろうという事になった。ただリィンの場合は顔と名前を知られすぎているので、一工夫必要だとクロウの手によって好き勝手され。ラウラやユーシス、時間が出来たからと顔を出したミュゼの審査を受けてようやく目的地に辿り着いたのだが。如何せん、そこまでの振り回されたこともあって少々疲弊していた。潜入捜査に男二人は流石に目立たないだろうかとは思ったものの、その手のプロから珍しい事ではないとのアドバイスをもらったので女装させられるよりはましかと腹を括った。
    1996

    さらさ

    DONEクロリンwebオンリーのエア小話より「内容指定無しの更紗が書いたクロリン」です。
    12月に不安定になっちゃうリィンが今年はしっかりしなきゃと思いながらクロウにメールすることから始まるシリアスクロリン。



    ランディが出てくるのは私の趣味です(書き分け難しかったけど楽しかった)
    慣れぬくらいならその腕に ――冬、か。リィンは仕事が一段落した寮のベッドで、バタリと倒れながらそう思う。《黄昏》が終結してから三度目になるその季節に、そろそろ拭えていい筈の不安がまだ心の奥底で突き刺さっていた。

    「流石に通信は女々しいかな」

    流石に三度目ともなれば慣れなくてはならないと、彼は思う。今は異国を巡りながら情報収集やら遊撃士協会の協力者やらで忙しい悪友を、年末には必ず帰ってくる優しい人を心配させない為に。開いたり、閉じたりしてどうも定まらない思考をなんとか纏めようとする。

    「今年は帰ってこなくても大丈夫だって、言おうかな……」

    移動距離だってそんなに短くないのだ、忙しい時間を自分に割かせるには余りにも勿体無さすぎる。そもそも、帰ってくるという表現さえ正しいのかは分からないが。導力メールで今年は帰ってこなくても大丈夫だという旨だけ書いて送信して、そのまま目を閉じる。通信を告げる着信音がやけに遠く感じながら、リィンはそのまま眠りについた。
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