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    MD_SONIC

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    特にオチもないグチャグチャ文章そらゆい
    3本

    そらゆい/あったか〜い

    ビビービビー……

    小さく聞こえてくる音でゆっくり目を開ける、
    隣に住んでる人はしっかり屋さんだから毎日この時間にこの変な音で起きてるらしい。
    だいたい7時?わかんないけど朝くらい。
    カーテンから見える光はものすごく白くて眩しい、布団からはみ出てる自分の顔も冷え冷えだ。
    冬の冷たい朝はあまり好きじゃなかった。

    「うーん、さむい。」

    隣で寝ているそらびもそう言っている。

    「そらちゃん起きないとおくれちゃう?よ?隣の家の人も起きたよ」
    「んん……聞こえない……」

    そらちゃんはしっかり屋さんじゃないからまた寝ようと僕の被ってた布団も持っていこうとする、寒いから渡さないもんね。
    僕もお腹がすいたしそらちゃんが起きてくれないとご飯が食べられないままになっちゃう、一緒に食べないと意味が無い。
    僕が起きてる意味が無い。

    「ゆいむももう1回寝よう……」
    「うぇ」

    反対側を向いて布団を奪おうとしていたそらちゃんがこっちを向き直して僕を抱き枕みたいに軽く抱きしめてきた。
    冬の朝っていつもこう、いつの冬からかは覚えてないけど。
    抱きしめられるの好きじゃないよ、暑いし動けないしなんか不安になる。
    でもその不安も息苦しさと混ぜ混ぜになってなんだか心地よいのかもしれない。
    わかんない、変な気持ち
    そうやって色々考えてるうちにそらびはまた寝ちゃうんだ。

    「そらちゃん寝ちゃうの?」
    「……」
    「僕苦しいよ、そらびが寝ちゃったら、ずっと。」
    「……」

    もう何も言わなくなっちゃった。
    僕はもう眠くないけど、1人で冷たい布団の外に出るくらいだったらそらびのことあたためてあげるほうがいいのかもしれない。
    はやく起きてくれますように、あっかくな〜れ〜
    そらびがあたたかかったら僕嬉しいよ、
    冬の朝も好きになれるよ。


    隣の家の人が家を出る音で僕も目を閉じた。






    そらゆい/幸せとかどうでもいい

    いつも空を見上げて考えること、他人の目を通して愛とか、友達?ご飯のこと生活のことを考える。
    ほかの僕なら人と愛し合う
    ほかの僕なら友達と語り合う
    ほかの僕ならご飯を食べて生活をする

    皆が本当はどうかなんてわからないけど、考えている間は世界が本当にそうなっているように感じる。
    妄想っていうのは楽しいんだ考えている間は僕が世界の中心だからね。

    「ゆいむ」

    最近はコイツがその世界を邪魔しにくるけどさ

    「そらび」

    僕と似た雰囲気を感じるけど全然僕とは違う見た目、考えていることだってきっと違う。
    お互いそう思っているはずなのに、全部知ってるよみたいな顔で僕のところに来るんだ。
    僕の何を知っているの?

    「今日は何しに来たの」
    「いつも通り、殺してほしくて」
    「やだよーだ」
    「知ってた」

    薄ら笑って馴れ馴れしく隣に座ってくる、
    許してもらえると思ってるんだ、許すけど。

    「なんでそんなに殺されたがるんだろうね〜」
    「いろいろあるから」
    「殺されたらそらびは嬉しいの?」
    「そう、だね。嬉しい」
    「そらびのしあわせ?」
    「そう、幸せ。」

    正直そらびのしあわせはわからない
    だって殺されるのは痛いもん、僕はもう殺されたくないよ。
    もう誰も苦しくしない、そう決めたからそらびの幸せなんか知ったこっちゃないね。
    こう見えて頑固なんだよぼくらは。

    「ゆいむに幸せはないの?」

    僕のしあわせ?

    「ぼくの、しあわせ」
    「うん」

    ぼくのしあわせ、僕は何が幸せなんだろう。
    考えたことなかった。
    ほかの僕ならなにがしあわせ?
    ともだちをつくること?おいしいものを食べる?恋をする?あそびにいく?ぐっすりねむる?なにがしあわせなの?

    「……。」
    「ゆいむ?」
    「う、ああ。ぼくのしあわせね。」

    ……。

    「ないの?」

    コイツ、しつこいぞ。
    うるさい、僕にしあわせなんか
    いらないものだ。
    好きもない、嫌いもない
    僕は不幸でもないし幸せでもない。
    何も感じたくないんだ、知らない僕の知らない気持ちが流れ込んできても何も感じない。
    嬉しい?幸せ?なにそれ、くだらない。

    「ぼくにしあわせとかないよ。」
    「そっか、」

    「幸せがなくてもゆいむは生きている、
    ゆいむはすごいね。」

    ああ、またそうやって全部知ってるみたいな顔で言うんだ。
    そらびは僕の何を知っているの?
    そらびは僕の全てを知ってくれるの?

    なにがすごい?こんな僕が?
    なにもないだけなのに。

    なにもない僕の全部を知ってもまだ僕の隣に座ろうとするの?
    僕の幸せをそらびが見つけてくれたなら、僕もそらびの幸せを受け入れてあげるよ。

    「……何考えてるんだろう。」
    「なにか考え事してた?」
    「ううん、なんでもない」

    こんな時だけ何も知らないって顔してさ。
    いいんだ、それがそらびだもん。

    いいよ、そらびが僕の幸せを見つけてくれたら僕はそらびを殺してあげる。

    そんな時、来るはずもないけどね。






    そらゆい/隠し味

    愛とかなんとか、世の中は愛情を大事にするけど正直なところ自分はよくわかっていないと思う。
    愛情を注ぐほどのものが存在してないのだろう。

    「ただいま」
    「おかえり〜!」
    「わあ」

    一緒に暮らしているゆいむ、目を離すとだいたい血まみれになっていて大変汚い。
    どうしてこうなるのか

    「どこか怪我したの?」
    「んーん?してないよ!」
    「有り得ないな」

    身体中触って確かめるとゆいむの後頭部がグチャグチャになっていた、腹部も穴が空いている。

    [そらびって2人暮らししてるの!?]
    [しかも小さい子!?]
    [お前意外と世話やけるんじゃん!]
    [愛だね〜]

    「有り得ないな」

    傷の手当をしてさっきと変わらずピョンピョンしているゆいむを見る。
    なんで手当なんかしたのだろう、
    ゆいむがどうなろうとどうでもいいんだ。
    勝手に死んでしまえばいい。

    なんなら殺してしまったって…………

    「なんだかさっきより体が軽いよ!ありがとう!」

    殺してしまっても

    「そらちゃんがいないとぼくなにもできないんだよ」

    殺し

    「そんなこと考えないで。」

    ぼくがいないとそらちゃんは死に続けることができないんだよ?

    ---------------------------------------------

    「今日のご飯はなに〜?」

    はっとして目線を下げると腹の傷を擦りながら空腹を訴えるゆいむがいた。

    「うーん、ゆいむが食べたいものつくるけど」
    「ふりかけ!」
    「はい。」

    つくるといっていいのかわからないオーダーを出してくるがなにか切ったり焼いたりしなくていいのなら楽に済む。
    卵と猫型の魚フレークのふりかけをかけてゆいむの目の前に差し出す。

    「隠し味は愛情がいいな」
    「どこでそんなくだらないことを……」
    「てれびが言ってたよ!」
    「はァ……」

    じーっとゆいむはこちらを見つめて愛情とかいう味付けを待っている。
    正直なところダルすぎる。

    「はやく食べてください」
    「えー、愛情は〜?」
    「そんなものありません」
    「形だけでいいのにー」

    思ってなくていいの、形だけ。
    いつも通りかたちだけ。

    「?、何か言った?」
    「んーん?何も言ってないよ」

    僕のことだけを考えて生きている間はそらちゃんは死に続けることができる。
    形だけの愛情だけど、それはぼくにとっての隠し味。
    ぼくのために生きてくれることでそらびは死ねる。
    そらびが苦しくない世界がぼくは好きだよ。
    ずっとぼくのために世界から死に続けてそらび。
    これがぼくの愛の形、そらびの世界の隠し味。
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