むかしばなし 今よりずっと昔のこと、人と獣人は一緒に暮らしていました。小さな諍いはあれど、二つの種族は平和に共存をしていました。
しかし、とある年、それまでにない飢饉が起こりました。
人々と獣人達は、なんとか飢えを凌いで生きようと、ぎりぎりの生活を送ることになりました。
そんな中、一つの事件が起こります。
飢饉を凌ぐための食料を保存していた倉庫の中身がなくなっていたのです。
人々は犯人を捜しました。
そんなとき、誰かが言いました。
「犯人は獣人じゃないか?」と。
獣人は力が強く、体力も多い代わりに、食事を多く摂らなければならないのです。
それなのに飢饉が起こり、いつもより食事が少なかったから食料を盗んだのではないか、と。
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