百古里のひとり旅 考え事が際限なく湧きすぎて仕事に支障が出始めた。ミスの内容が些細な見落としや取り違えで済んでいるうちに、なんとかしなければならない。
こんなときどうしたらいいのか、百古里もなんとなくわかってきている。一旦事務所から離れて冷静になる、それに越したことはないだろう。
上司に休暇を申請した。条件付きで許可が出たので、レンタカーを予約した。一泊二日の旅程で、百古里は久しぶりに一人旅を決行する。
こういう時、行先は特に決めない。道路標識で気になった地名を目指してもいいし、海や山や川などを目指してもいい。休暇の取得条件が『美味しいお土産を二人分買ってくること』だったので、最後にそれだけ忘れないようにしよう。
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