鍋は割れず蓋も閉じない凸凹コンビ
「はあ~、北海道はでーじ面白いところがいっぱいさあ~」
練習を終えホテルの部屋に戻ると、乙音は自分のベッドへ思いっきりダイブする。
「明日はどこに行こうかな~」
そう言って、握りしめて過ぎて端がぼろぼろになってきたパンフレットを胸に抱えて乙音は楽しそうにごろごろとベッドの上で転がった。
「楽しそうですね南さん」
「うん、だって僕スタオケに入るまで沖縄から出たことなかったんよ、だからこうやって源一郎やみんなと一緒に北海道に来てるってだけで、胸がキューってしてくるんさ」
乙音はそう言って目を細めて微笑んだ。
たとえそれがパンフレットを見ながらの空想であったとしても、乙音にとっては北海道のかけがえのない思い出なのだろう。
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