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    Hi4ko3

    スケベ絵気軽に置きたいと思って……

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    Hi4ko3

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    レムエコなれそめSS

    ##レムエコ

    気がついたら、森の中で倒れていた。
    どうしてここにいるのか。
    自分は誰なのか。
    だめだ……。思い出せない。


    「きみ……見かけない顔だね。どこから来たの?」

    うずくまっていると、ふと上から声がして顔を上げる。
    片目を隠した銀髪に、深緑色の三角帽子。
    ……だれだっけ。

    ええと、そうだ。たしかこの人は……

    「あめだま なめたろうさん!」

    「…………へ?」




    なめたろうさん……もといレムレスと話すうちに、色々思い出してきた。

    「ええと……きみは、エコロ……で、いいんだよね?」
    「うん!そうだよ~」

    自分はエコロ。時空の旅人。
    自由きままに、世界を渡り歩く存在。

    でも、それは『オリジナル』のことだ。
    ぼくは、その『分体』。

    『オリジナル』は時空の旅人である性質上、ひと所に留まることが難しい。
    だから、『オリジナル』が抱いた『ここにいたい』という気持ちを切り離して、分けた。ずっとここにいられるように。

    それがぼくという存在。気まぐれな時空の旅人の、忘れ形見みたいなものだ。

    「なるほどね。そういうことだったのか」

    レムレスはぼくの話を、真剣な顔で聞いてくれた。片手にロリポップを持ちながらなのが、ちょっと締まらないけど。

    「次に、どうしてそんな姿なのか……聞いてもいいかい?」

    そう。
    今のぼくの外見は、『オリジナル』とは全く違っていた。有り体に言えば、人間の姿をしている。
    正確な年齢は分からないが、14歳くらいの男の子の背格好だ。りんごちゃん達と、同じくらいかな?
    ファッションについてはよく分からないので、ここでのコメントは控えさせてもらう。


    「それはまぁ……ここで暮らしていくのに都合がいいからじゃない?」

    これはぼくの個人的な意見。
    まぁ『オリジナル』が、「不定形のカタチじゃ、りんごちゃんにあーんなことしたりこーんなことしたりするのに不都合だからだよ〜♡」という下心も含まれているのだろうけど……、普通の人間の姿をとってたほうが、親しみは湧きやすいとぼくは思ってる。

    それに背格好からして、学校に通うこともできるだろう。魔導世界であるプリンプでは、魔導学校に通えることは大きなアドバンテージだ。

    ここまで話して、レムレスは頷きながら答えた。

    「ありがとう、よくわかったよ。それで、きみはこれからどうするの?」

    そう言われてはたと気づく。
    そうだ。
    今のぼくは完全に人間だ。
    何も食べなくても飲まなくても死なない、不死身の体じゃない!
    住むところも食べ物も必要だ。ああ、どうしよう!こんなことに気がつかないなんて……。ばかばか!ぼくのばか!!


    「……ねぇ、もし良かったらなんだけど……ウチに来ないかい?」

    1人途方に暮れていたら、まさしく救いの手が差し伸べられた。

    「……いいの?」
    「いいよ。おいで?一緒に行こう」

    レムレスは細い目でにっこり笑うと、ぼくの手をとって歩きだした。
    手袋をしているが、細いのにちゃんと男っぽい手だ。
    ぼくが彼の手を握り返すと、レムレスはちょっと赤くなったみたいだった。
    ……へんなの。
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