素直な君「はぁ。ったく、なんで俺が兄貴の事なんかで悩まなくちゃいけねぇんだよ。」
屋上で寝そべりながらボソッと呟く。
「こんなんじゃ俺、誰かに兄貴の事取られちまうかもな」
兄貴の事になると、俺ってこんなにも弱気になっちまうんだな。と、青い空を眺めながら思う。
「素直っつったって。そんなの無理だろ。は、恥ずかしいし、、、。」
兄貴はいつも俺に好きだの、可愛いだの、甘い言葉を投げかけてくれる。それが恥ずかしくて、嬉しくて。だけど素直になれない自分が居て。
「俺も素直に好きって言えたらいいんだけどな。」
自分の感情を悟られないように「うるせぇ!馬鹿兄貴!」と、暴言を吐いてしまう。
「ほんと、可愛げ無いよな俺って」
ハハ、、と乾いた声を零す。
1631