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    bm33888

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    bm33888

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    序盤のリとラがちょっと話すだけ
    ※メインストーリー全然進めてないので色々齟齬があるかも

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    bm33888

    DOODLEただ隣にいるリとラ
    高い 白く長い睫毛。その向こうから青く透けた光が金髪の青年に訴える。今こうして見える輪郭は仮初のものだということを。口元に向かってなだらかに伸びる鼻筋。その上で佇む第三の瞳が開く様を青年は目にしたことはないが、きっと青色が宿っているのだろうということだけは分かった。透けた体の主が口を開く。
    「貴殿から見れば……ここは墓場の如き場所だろうな」
     青年はその言葉を黙って聞き、そしてそのまま声の主の横顔を見た。そこに諦念はなく、望郷に似た何か光のような、青年の知らぬものがあった。声の主はその大きな体躯を真っ直ぐに伸ばし遥か空へ向かう。豊かな白い髪の合間の山吹色が日向のようだと青年は思う。青年のいた大地よりも太陽に近いこの場所では、傾く陽の光があまりに眩く輝く。その橙を宿す白い髪が風に揺れ、草の匂いを青年に届けた。青年は自身の頬を叩く横髪を手で払い、青い光に包まれたその人を見上げる。これまでも様々な種族に出会ってきたが、その中でも青年の目の前にいるこの人物は殊更上背があった。青年は自分の首筋をさする。青く透け光るその人は青年の方をちらりと見やり、それから辺りを見渡し、角の欠けたような石材の上へと腰掛けた。青年からは到底その体重に耐えられるようには見受けられなかったが、石材はただ静かにそこにあった。
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    bm33888

    DOODLEリとラがいる話 もはやネタバレとも言えない
    見てる ここで受ける日差しは地上とはどこか違う。青年はそう感じていた。しかしそう思わせる理由が何なのかまではわからなかった。ただここに来てからの青年は、日向にいる間いつも少し目を細めていた。遠くを見る時は額に手のひらを寄せ影を作り、更に細める。睫毛が風に揺れる。浮いた小島の上で動く赤い光を二つ、青年の目が捉えた。青年はその左手に握った錆の目立つ盾を握り直す。下ろしていた瞼を戻すと、赤い光の見えたすぐそばに青い光があることに気が付いた。
     真っ直ぐに伸びる赤い光とは違う、ぼんやりと滲むその青い光の正体を知る青年はまた目を細めた。右手を上げ、自身の顔に影を作る。青い光をまとう白く豊かな髪が青年の目に映る。視線の先でその人物は青年に背を向けたまま、赤い光の主を見つめているようだった。青年が右腕を下ろし、自身の右手——青年の実感により近い形で言うならば、自身の右手に成り代わったものを、まじまじと眺める。長い爪と骨張った関節。防具のような装飾。そして何より、自身の肌と全く異なるその色。青い光の浮かぶ手の甲を遠ざけるように腕を伸ばす。小島の上の赤い光と青い光。そして腕の先にある光。青年はそれらに視線を巡らせ、それから踵を返し、伸びる階段の先へと歩みを進めた。
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