「よく飛ぶ紙飛行機の折り方知ってる?」
葉佩九龍はいつも唐突だ。対する阿門帝等は静かに答える。
「知らん」
放課後といっても夜に近い時間の生徒会室に他の人間はいない。机に向かう阿門のそばで葉佩が紙飛行機を飛ばす。目で追えばすうっと飛んで壁に当たって落ちた。
「小学生でもできるって凍也が言ってた」
「必要ない」
「今度、紙飛行機大会やるんだよ」
葉佩が次の飛行機を飛ばす。今度のは壁まで届かずに落ちる。
「生徒会の許可のない集会は感心しない」
「いま許可貰ってる」
阿門がため息を吐く。
「せめて書類を用意しろ」
「なんの?」
「場所の借用許可は必要だ」
「はーい」
葉佩がどこからともなく紙を取り出して折り始める。慣れた手つきで半分にして、そこからは斜め斜めに翼を整えていった。
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