【司類】相談しただけなのに速攻で恋が叶った「最近の司くん、なんだか変わった?」
「オレはいつも通りだぞ」
「格好良くなったと思う」
「……それは光栄だな」
まるでおとぎ話の王子様。演出のつけがいがあるとかこれは司くんに惚れてしまう人が続出するとかそんな事ばかり浮かぶ。
周り全てをステージに変えてしまうスター性。
「類、何を悩んでいるんだ? 良ければ聞かせてほしい」
胸の奥がモヤモヤする。
「別に悩んではいないよ」
「また無自覚か」
じっと覗き込む司くんの顔に引き込まれる。いっそこのまま唇を奪ってくれたらいいのに。
愛しい。眩しい。苦しい。近い。遠い。
彼はこれから『皆のスター』になるのだから僕が独占するわけにはいかない。
「相談して解決できるものなら良かったのだけれどね」
953