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    きのこ

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    きのこ

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    https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=16303104
    ↑これの初期プロット晒しです。全部だと長いんで三章まで。
    便宜上プロットと称してますが、箇条書き形式の途中で急に普通の小説文(ただしノー推敲一発書き)が入ってきたり、また箇条書き形式に戻ったりします。だいぶぐちゃぐちゃなネタメモです。

    「光の標」初期プロット【概要】
    みつよ刀本体だけ帰還、肉体は現世へ
    霊力に引き寄せられる遡行軍
    霊力だだもれのみつよ
    結界内でみつよを守るソハヤ
    刀としての意識が無ければ本丸にアクセスできない
    結界内にはソハヤの霊力が満ちているが、刀であることすら分からない光世はリンクすることができない
    ソ→(←)みつよからのソ→←み
    片想いだと思っているソ

    【典】1
    遡行軍に追われ路地裏を逃げるみつよ
    咄嗟に腰に手を遣るが本体はない
    正面から現れる人影、一人、後ろからの方が数が多い、そのまま突破できるか
    「伏せろ!」
    身を屈めた光世の頭上を跳び遡行軍に応戦するソ
    味方、なのだろうか
    戦闘終了、通信
    「こちら十五番、敵殱滅を確認。周囲の状況は?」
    「了解した。プランBで任務を続行する。以上」
    「終わったぜ。怪我はねえか?」
    「……ああ。あんたは」
     そこで漸く、はたと気付く。そもそも俺は、何者だ。何も分からない。思い出せない。
    「おい、大丈夫か」
     目の前にいる筈の男の声が遠く聞こえる。こめかみが酷く痛み、目眩と共に吐き気が込み上げた。低く呻き口許を覆えば、男はそっとこちらに手を伸ばし、宥めるように腕から肩をさすってくれた。

    「とりあえず、俺に付いてきてくれるか?悪いようにはしねえからさ」
    信用できねえかな
    「……いや」
    任務、と言っていた

    マンスリーマンション、4階の角部屋
    「ここに住んでいる訳ではないのか」
    「んー、セカンドハウスってやつ?」

    シャワー、鏡で容姿を確認するみつよ
    瞳の色は同じ

    「なあ、腹減ってねえ? 良かったら一緒に食わないかと思って」

    【ソ】2
     今の自分は兄弟から、兄弟であると認識されていない。予め状況把握はしていたものの、いざそのことを眼前に突き付けられると、想像していた以上の衝撃があった。
     どこかぼんやりとした様子で、おとなしくソファに身を預けている大典太を視界の端に捉える。記憶を失くしても、無口で物静かな気質は変わらないようだ。こうして黙っていれば、己のよく知る兄弟そのものだと思う。

     遡ること、数時間前。
     畑当番を終え湯浴みを済ませたソハヤは、遠征に出た大典太の帰りを三池部屋で待っていた。何の変哲もない本丸での日常は、緊急事態を告げるアラートにより一瞬にして打ち崩されることとなる。
     遠征部隊が、六振とも刀本体のみの姿となって帰還したのだ。うち五振までは、何らかの事故で一時的に顕現が解けていただけで、審神者の力により再顕現させることができた。しかし最後の一振、大典太光世――部隊員の話によると殿を務めていたそうだ――は、再顕現が叶わなかった。本体と肉体との繋がりが絶たれた結果、肉体は本丸と異なる時空へと流されてしまったらしい。
     すぐさま大典太が流された地点の座標軸を特定し強制帰還を試みるも、結果は対象へのアクセス不能により失敗。本丸運営システムを担うAIが失敗の原因として提示したのは、当事者である大典太の自己認識にエラーが生じている可能性だった。
    「ああ、大丈夫だ。折れた訳ではないからな」
     救う手立てはある。真っ直ぐこちらを見てそう述べた初期刀で近侍の山姥切国広に、ならば俺が直接兄弟を迎えに行こうとソハヤは即答した。

    食事 冷凍うどん
    よく夜食に食べた

    名前
    いつも大典太からは、兄弟、と呼ばれていた。だが、今この状況で自分から兄弟の名乗りを上げることは、ソハヤにはできそうになかった。
    「まさか、名前がないってことはないだろう」
    「んー、まあ……。そうだな」
    一呼吸置いて、斬付銘の一部を告げる。
    「ソハヤ」
    「……そはや」
     一旦そこで言葉を止め、音の響きを確かめるような口調で繰り返す大典太の様子を伺ってみたが、特に何かを思い出した様子はないようだった。ソハヤは少なからず落胆している自分に気付き、そのことを顔に出さぬよう意識を表情筋に集中させる。
    「今は、そう呼ばれることが多いかな」
    「分かった。ならば、ソハヤ」
    「……ああ」
     大典太から、その名で呼ばれるのは初めてだった。思わず詰めそうになった息を、なるべく自然に聞こえるようゆっくりと吐く。今、己はきちんと笑顔を見せられているだろうか。
    「俺の名前は、何という? 知っているんだろう」
    「……光世。ひかりのよで、光世だよ」

    【典】3
    光世
    ソから呼ばれることはない名
     どういう訳か自身の名を言うのは渋ったソハヤだったが、光世の名はあっさりと教えてくれた。光世にはそれが確かに己の名であると確かめる術はないのだが、不思議と疑念は欠片も浮かばなかった。光世――僅か二文字の言葉をソハヤの口から知らされた時、感じたのは安堵の念だ。それは間違いなく己を示す名であり、なくてはならないものだ。何故か、強くそう思った。

    「できれば当面は、ここで俺と暮らして貰いたいんだが…。あんたは、それで構わねえか?」
     共同生活を送るにあたり、ソハヤが光世に提示した条件はただ一つだ。決して、ひとりではこの部屋から出ないこと。ここに居る限り、例の奇妙な姿をした化け物たちが襲ってくることはないらしい。窮屈な思いをさせてすまないと詫びるソハヤに、光世は首を振った。
     元より他に行く宛もない。またあの連中に追われることになれば、ひとりでは太刀打ちできまい。己が何者か知らず、訳も分からぬままに殺されるのは御免だ。
     それに、記憶のない光世にとって初めて訪れた部屋であるにも関わらず、ここは存外居心地が良かった。最低限のものしかなく生活感に乏しい様は、殺風景とも言える。しかし、場を満たす空気には不思議と温かみが感じられ、ここから逃れてどこかに行きたいとは微塵も思わなかった。ソハヤと名乗った目の前の男の性質がそうさせるのだろうか、と光世はぼんやりと考える。程よい距離を保ちつつも親しみやすさを感じさせる雰囲気は、どことなくこの部屋のそれと似ている気がした。
     どうやら己は、この男に随分と気を許しているらしい。まだ彼のことを何も知らないのにとも思うが、きっとこの直感は間違ってはいない。何故か素直にそう信じられた。先程ひとりきりの路地裏で途方に暮れていた時の心細さは、すっかり消え失せていた。
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