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    にゃろまぐ

    赤安! @286mag

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    にゃろまぐ

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    女装で任務するれいくんの話。下書きです!軍パロ本「初恋」で没にしたルートB。コナン界の人間、割とナチュラルに女装してるかられいくんもしてくれ〜〜〜。軍パロ本はこれです https://ec.toranoana.jp/joshi_r/ec/item/040031027378

    #赤安
    #女装
    crossdress

    女装れい(軍パロの赤安←沖) まだ懲罰の期間は数日残っているというのに、牢から出された。
     といっても、自分の足で出たわけではない。意識を失っている間に運ばれ、目を醒ましたらまったく見覚えのない居室にいたのだ。清潔なベッドに寝かされ、身を清められ、傷には包帯が巻かれている。
     ベッドサイドの椅子には沖矢が座って、自分の顔を見つめていた。鞭を打って散々自分をいたぶった張本人とは思えない、心配そうとさえ言える表情。つまり、ここは沖矢家の邸宅なのだろう。この男は自分を貶めたいのか利用したいのか、果てまたもっと別の目的があるのか。一貫性のない行動は理解に苦しむ。
     部屋にはひっきりなしにメイドが出入りして、何かを準備していた。ドレープのたっぷり効いた青のドレス。肘の上まであるグローブ。ヒールの高いパンプスに、パールのネックレスに、ご丁寧に女性ものの下着まで。いかにも軍の男が喜びそうな深窓のご令嬢セットを用意して、一体何を企んでいるのやら。
    「どういうつもりです?」
     身体を起こして尋ねた。
     連日の尋問が堪えて身体はぎしぎし言っていたが、動けない程ではない。
    「兼ねてから調査していた例の件ですが、狙いは東軍の重要人物ではないかと分かりました。そして彼らが一堂に介する今夜の舞踏会で、あの者たちは何らかの行動を起こす。だから、潜入し、首謀者を見極め、その場で取り押さえます」
    「それで、僕がここに連れてこられた理由は?……それに、このドレス」
     諜報部は秘密主義で、同じ諜報部であっても隣の男がどんな案件を調査しているのかは知り得ない。もちろん必要に応じて手を貸し合うことはあるが──。そういう場合は上から連絡が来るものだ。意識のない間に運ばれて、当然僕の部下たちはまだ懲罰房にいるものだと思っているだろう。誰にも知られずに行動することもないわけではないけれど、どう考えても訝しむべき状況だった。
    「女でないと入れない場所があるでしょう。だから、あなたに白羽の矢が立ったんです」
    「いつものように協力者を使えばいいのでは?」
     もし女手が必要ならば、そういう協力者を使えばいい。だというのに、わざわざ他の部隊の指揮官を使うというのは──。他に目的があると考えるのが自然だ。
    「あなたにチャンスを与えているんです。何度も規律違反を犯して今や疑いの目を注がれる『ゼロ』が自分の忠義を証明する絶好の機会だ。もっとも、あなたには荷が重いというなら無理強いはしませんが」
     返されたのは案の定の答えで、悔しいことにそう言われては逃げ道はなかった。くいと顎をもちあげられて、沖矢を睨み返す。
    「……随分、ご趣味がいいようで」
     反吐が出る。内心唾を吐きかけてやりたいが、沖矢はそんなもの、痛くもかゆくもないという様。だいたい、この男は人が嫌がれば嫌がるほど喜ぶという悪趣味だ。
    「なんとでも。今夜は僕のパートナーです。せいぜい、愛想よくしてくださいね」
     愉し気に言われて、屈辱に拳が震えた。これではまるで、見せびらかされるために行くようなもの。部下たちの前で、沖矢に女のように扱われる。諜報部の人間たちに、ゼロは沖矢に下ったのだと知らしめるような仕打ち。彼らがどう思うかは明白だ。
     だが、己の屈辱を殺してでも、この国を守るために、諜報部で居続けるためにやらなければいけない時はある。実際、自分は「女役」にはうってつけなのだった。胸には詰め物を入れて肩が目立ちにくいデザインのドレスを纏う。海を思わせる、ドレープのたっぷりしたドレスはいかにも仕立てが良く、歩くたびにふわりと裾が広がる。もし戦闘にでもなったら、立ち回りに支障が出そうなのがネックだ。グローブだって、男らしさを隠すにはうってつけだが、これではナイフも拳銃も滑る。せめて、もう少し実用性の高いものを用意しておけよ。舌打ちを堪えて、メイドに背中のリボンを結んでもらった。
     髪の毛のウイッグをつけて、視界を塞がないようにコサージュでまとめる。唇には控えめの色味の口紅を。そうして鏡のなかに映った自分はどこから見ても可憐で、沖矢家の嫡男に見染められた幸運なシンデレラ。誰の隣にも警戒されることなく立てるだろうし、慣れない社交の場に困ったそぶりでもすれば、ターゲットの気を惹くことも容易いだろう。

    「ああ、きれいです」
     支度を終えて部屋を出ると、沖矢がうっとりと呟いた。身体中を舐めまわすような視線に、無意識にぎゅっと自分の身体を抱く。
    「ドレス、あなたに似合うものをわざわざ仕立てさせたんです。どうです?」
     腰を抱かれて近づく距離。が、自分はあくまで必要に迫られて何色だって纏う、というだけで、女装して己の美しさに惚れ惚れするタイプでもないし、まして相手は心を許した相手ですらない。
     湧き上がるのは嫌悪感ばかり。無意識に、先日赤井と時間を共にした時の、湧き上がるような歓びに満ちた時間と比べて、落差に嘆息する。あの時間、クリスマスマーケットで赤井に手を引かれながら感じた心地よきときめき。粉雪の舞う中で見つめた男の美しさ、瞬きも惜しく、刺すような冷たい夜気さえ心地よいと感じた幸福感。それに比べて、今、目の前にいる男との時間はひたすらに屈辱と苛立ちを強いられる。
     ──だめだ。
     かぶりを振って、邪念を振り払う。たった一度共に出掛けて思われただけで、その居心地の良さに囚われるなんて。そんなあり様では諜報部は務まらない。情も愛もすべて手札に、すべてはこの国のために。そう、決めていたはずなのに。己の女々しさへの苛立ちはどうにか押し隠して、平静の顔を保つ。
    「動きにくいですね。何で腰に飾りがあるドレスにしてくりなかったんですか? そうしたら、ナイフの一つや二つ仕込めたのに」
     そう言って手を離させて、ドレスの裾をまくり上げた。
    「ホルスター、ないんですか」
     淡々と要求して、太ももをバンドでぎっちりとしめあげてナイフと拳銃を仕込む。あとは、ハンドバッグに。その様を男は、なんとも言えない顔で凝視していた。僕に執着する。嫌がらせをする。支配して、こうして女扱いをする。けれど、露わになった太ももを前にすると、色につられた男にありがちなように、とびつくでもこれ幸いと凝視するでもなく、いたたまれない顔をする。
     結局お前は、僕のことをどうしたいんだ。
     沖矢の不可解さは深まるばかりだ。

     舞踏会の会場は賑わっていた。
     独身の男やご婦人は、いい人との出会いを期待して。既にパートナーがいる人間も、普段の軍務から離れたこういう場は日頃はしにくい会話をするにも、ツテを作るにもうってつけだ。
     沖矢昴は、性格は陰湿だが見てくれは知的で、顔の造作も整い、いかにもインテリ軍人な見目。しかも沖矢家の嫡男で王家である工藤家と懇意というのも知られた話だから、裏でどんな顔をもっていようが、周りに人が絶えない。
     女の格好をすることもヒールの高いシューズを履くこともあるけれど、自分で選ぶ時は「実戦に向いた」ものを選ぶ。慣れない不安定なハイヒールで足元をぐらつかせるたびに、沖矢にしがみつき、腰を抱かれる羽目になり辟易しながらも、グラスを片手に「控えめのパートナー」を演じ、視界の端でターゲットや周りの人間に不審な動きがないか警戒を続ける。と。
    「美しい御方」
     目の前で膝を折った男がいた。
    「よろしければ私と一曲お付き合い願えませんか」

     その相手を見やって、冷や水を浴びせられたように頭が真っ白になる。そこにいたのは名家である赤井家の嫡男にして、情を打ち明けてくれた相手である赤井大佐。今日も美しいブルネットに彫刻のように整った顔立ち。時に冷酷な印象を与えるオリーブグリーンの瞳は、今は木洩れ日のような優しさを湛える。
     見目うるわしく、歩く姿は堂々と、その男の評判は多くの人に知られるとおり。だが。
     ──なぜ、ここに。
     赤井はこのような場に顔を出さないタイプなのに、なぜ自分がこんな恰好をしている今日に限っていて、しかも自分を目ざとく見つけるのか。好きだと言い大切に扱い、救いの手を差し伸べてくれた相手に、女になりきって、他の男の腕にしがみついている様を見られる事態は、想像以上にダメージを与えた。羞恥とやりきれなさに、足が震え出しそうになる。
     ざわめきが広がっていく。
     赤井は舞踏会では最も女性の視線を集める男だが、自ら誰かをダンスに誘うことはほとんどない。その男が、アプローチしているのだ。女性たちから突き刺さる羨望の眼差し。他にも、好奇の眼差しと噂好きの声と、ともかく状況的に、断るのは不可能だ。赤井家の嫡男に恥をかかせるような真似も、これほどの男にダンスを申し込まれて断る真似も、普通の女はしない。
     腰を抱く沖矢の手にはぎゅうと痛いほど力が込められている。
     この男が赤井に対して自分とは異なる方向で、並々ならぬ執着(と言ってもほとんどは嫌悪だが)を抱いているのは既に分かっているとおり。自分が「独占していた」ものをおめおめ渡したくない、という意思がにじみ出る。とはいえ、こうして夫人がダンスのパートナーをつとめることをきっかけに、主人同士が交流することもよくある話だ。沖矢にとってはチャンスのはずだが──。
     沖矢は、どうぞ行ってきてください、と手をほどいた。もっとも、腸のなかは煮えくり返っているだろうが。
     赤井は素知らぬ顔で差し出した僕の手を取ってキスをする。
     だが、赤井は僕とただダンスをしたいわけではあるまい。諜報部の人間がこんなところに、わざわざ女の姿にまでなって、何をしているのか探るために声をかけたのだろう。情を寄せた人からの誘い、けれどきっとその先にあるのは警戒、疑い、牽制。心は冷え切っていく、けれど、赤井の手に握られた瞬間、ほっとして身体の力が抜けたことは言い逃れようのない事実だ。
     優雅で華やかなヴァイオリンのメロディが流れ出して、複雑な気持ちを抱えたまま、身体が覚えているステップを踏み出した。つないだ手が熱い。今この時間だけは、どれだけ見つめ合って咎められず、音楽が止まるまでけして二人は引き離されない。有限の二人きりの時間はまるで、白昼夢のよう。間近で向き合って。シャンデリアの下で煌めく翠の瞳の美しさに見惚れて足元がおろそかになりそうになる。 
     赤井のリードは自然で、まるで身体が一つになったように心地よい。
     音楽に包まれて、赤井の匂いを感じて、つい先日まであんなに激しい憎しみを抱いていたのに、今となっては思い浮かぶのはクリスマスマーケットで過ごした時間のこと。寒い中で鼻が少し赤くなっていたこと、雑踏で手を引かれた時に心臓がきゅうと悲鳴をあげたこと、一緒に飲んだホットワインの香り。さっき沖矢と踊った時はステップを踏みながら周りの視線を探り、ざわめきに耳を澄ませ、不穏分子の気配を探ることに集中できたし手を握り合っているのが誰かなんて考えることもなかったのに──。
     集中、できない。
     まだ今は任務のまっただ中だというのに。荒れ狂う胸中を知ってか知らずか、赤井は耳元で囁く。
    「驚いたよ、君を見つけて」
    「何が目的です?」
    「前にも言っただろう? ただ君に惚れているんだ。意中の相手がいたら声をかけずにはいられない、ましてそのような格好をしているものだから」
    「……好きでしているわけではありません」
    「悪い意味じゃない、君が、あまりにも可憐だから心配なんだ。この会場の男みんな、君のことを狙っている。あわよくばお近づきになれないかと機会を窺って」
    「興味があるのは僕ではなくて僕のパートナーでしょう? 彼と仲良くなれば工藤家とのツテができるかも」
    「……その、パートナーというのも」
    「何です?」
     赤井の声が一段と低くなった。
    「彼とはどのような関係だ?」
    「分かっているでしょう、同僚です」
    「あいつの視線を見る限り、とてもそうは思えない。君を、所有物のように扱いやがって」
    「……あかい」
     いつもとは違う拗ねた物言いに、ふと、いたずら心がささやく。降谷零だったら恋心をからかうなんてできないけれど、他人になりきっている今は普段の自分では言えないことも言えてしまう。
    「嫉妬、しているんですか?」
     ターンの瞬間、ぐいと顔を近づけて、息の触れ合う距離で囁いた。その瞬間に、握られた手にぎゅうと力が入る。澄ました顔をしていた男は眉間にしわを寄せて、今にも人を射殺しそうな顔をしている。
    「当たり前だろう。正直このまま君を攫いたいくらいだ。まして、君はどうやら本調子じゃないようだし」
    「ッ……!」
     慌てるのは、今度はこちらの番だった。
    「たった数日でこの憔悴ぶり。まして、チョーカーで隠しているが首の傷。グローブの下にも、うっすら擦れた痕のようなものが見える」
     レースのグローブの下の傷跡を見つけ出すなんて、この男の目はどうなっているんだろう。
    「君の姿を数日まったく見かけなかった。部下の男を見張っても接触している様子はなかった。浮かび上がる可能性は一つだ。君はどこかに監禁されていた。そして、あの男は今何らかで君の弱みを握り、君を支配できる状況にある」
     はっとして本能的に手を引こうとするも、がっちりと腕を組まれている。高らかに奏でるヴァイオリン、メロディはクライマックスで終わりに近づいていく。みな、残り少ない時間を目の前の相手と分かち合うのに忙しく、この音楽が終わった時にはいくつかの情と、いくつかの寂寞が生まれるのだろう。そんななかで僕たちはにらみ合って──。
     同時に、はっと身を引いた。
     二階の回廊からダンスホールを見下ろす影。パーティーが始まったその時から誰とも話さずにほぼ変わらずにそこにいた人間が、何かを取りだすような動き。部下がいたら間違いなくマークさせただろう。だが、今回は一人で、自分が警備体制に口を出せる立場ではなかった。その人間が狙う相手──。

     ◇

     音楽の終わりを待たずに手が離れた。
     不穏の気配を感じて目を離した一瞬。彼は駆け出す。同じくダンスを踊っていた大将にとびつくようにして覆いかぶさる。海を思わせるブルーのドレスがふわりと翻る様は芸術的で鮮やかに目を焼き付く。同時に、銃声。
     彼が、何かの調査のためにいることは明らかだった。そして、危惧していた有事が現実となった時、彼の職業信念ははっきりと燃え上がって己との「違い」を突きつけられる。
     彼が身を置く機関は根本的に何かを守るために存在する。
     攻撃よりも専守。その思想は彼の行動にはっきりと表れていて──。
     
     悲鳴があがった。
     飛び散った血は彼の腕から流れている。彼の下敷きになった男は無事だ。
    「キャメル、捕えろ。前の眼鏡の男だ」
     たまたま近くに部下がいたのを見つけて指示を出す。そうして目を離した瞬間に既に、彼は身を起こして、自ら身を挺して守り抜いた男を立たせ、手を引いて走り出していた。上階まで吹き抜けのサロンは、頭上から狙い放題だ。もし相手が単独犯でなかった場合、二発目が来る可能性が高い。追いついて隣に並んだ。
    「奴らの目的はなんだ?」
    「東軍の要職にあるものを狙っていると。おそらく、自軍の議会での影響力の低下に不満を抱えるものかと思いますが」
     同時に、目の端で何かが光る。
    「赤井!」
     はっとして避けると男が銃口を向けていた。間一髪銃口を躱して、距離を詰める。銃身を掴んで引き寄せ首の骨を折る。相手は声もなく絶命した。力の抜けた手から銃を奪う間、彼もまた、別の人間を相手にしている。敵は一人ではなかった。もっともその相手もまた、可憐な少女に見えた男の拳で、顎の下から強烈な一撃をくらってもんどり打って床に倒れ込む。その相手に馬乗りになって、膝で胸を押さえつけ、彼は冷ややかな声音で問いかける。
    「誰に頼まれた?」
    「知らない」
    「ターゲットは?」
    「知らない」
    「知らないわけないでしょう、こうして襲っているじゃないですか」
     彼がそう言い放った次の瞬間、ゴキ、と嫌な音がした。彼が押さえつけていた指を折ったのだ。明らかに「慣れている」人間のやり方、汚い悲鳴を耳にしても顔色一つ変えない。
     大きな瞳に光を集めたブロンド。どこからどう見ても「若くて愛くるしいご婦人」の外見と、その手が淡々と下す苛烈な仕打ちのギャップに背後に、彼の背後に庇われた男が思わずといったように後ずさりする。
    「貴方、先々月の志願兵のなかにいましたね。門前払いされたところを、金のために動くならずものにでも買われて、今やテロリストの使いっぱしりですか。哀れなものだ」
    「馬鹿にするな」
    「おや違うんですか?」
    「俺のお仕えしている方は然るべき地位にいて、国にお仕えしている。お前らただの犬とは違うんだ」
    「ま、口先だけでは何とでも言えますからね」
     絶世の美女に跨られたまま泡を飛ばして反論する、現時点で世界一幸運であろう男を今すぐ叩きのめしてやりたいが、これはおそらく挑発。尋問する彼の小ばかにした口調はあくまで、情報を引き出すため。愛する人の仕事の邪魔をしてわざわざ心証を悪くするような真似はできない。
    「今に見ていろ、お前らがでかい顔をできるのも今のうちだけだ。あの御方のように陰で尽くし支えるものが報われる時代が来る」
     男の言葉に、思わず、という風に顔を見合わせた。
     あの御方というのは誰のことだろう。この男の狙いは東軍の要職にある人物たち、つまり反体制派か、折り合いの悪い西軍のものかと思っていたが──。陰で尽くす人間と主人を称したことを思うとどうやら、予想していた筋書きとは異なるらしい。だとすれば狙いは初めから。
     愛しい人の周りでいったい何が起きているのか。不穏な気配に胸騒ぎを覚える。

    (続)
    軍パロ本「初恋」のルートBでした。半分くらいはピクシブで読めます!
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    女装れい(軍パロの赤安←沖) まだ懲罰の期間は数日残っているというのに、牢から出された。
     といっても、自分の足で出たわけではない。意識を失っている間に運ばれ、目を醒ましたらまったく見覚えのない居室にいたのだ。清潔なベッドに寝かされ、身を清められ、傷には包帯が巻かれている。
     ベッドサイドの椅子には沖矢が座って、自分の顔を見つめていた。鞭を打って散々自分をいたぶった張本人とは思えない、心配そうとさえ言える表情。つまり、ここは沖矢家の邸宅なのだろう。この男は自分を貶めたいのか利用したいのか、果てまたもっと別の目的があるのか。一貫性のない行動は理解に苦しむ。
     部屋にはひっきりなしにメイドが出入りして、何かを準備していた。ドレープのたっぷり効いた青のドレス。肘の上まであるグローブ。ヒールの高いパンプスに、パールのネックレスに、ご丁寧に女性ものの下着まで。いかにも軍の男が喜びそうな深窓のご令嬢セットを用意して、一体何を企んでいるのやら。
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