獣教官と愛弟子ちゃん3ずきずきと足が痛む。
足袋も履かず薄い草履一つだけで獣道を歩けばそうもなろう。草の葉や、突き出た枯れ枝に何度も引っかけた足は所々に血が滲んでいて、大変痛々しく映っていた。
「こら、とっとと歩け!」
じくりと刺すような痛みに思わずふらつけば、後ろからドンと強く背を突き飛ばされた。
その衝撃でよろけた足が縺れ大きく体勢を崩す。両手を縛られているため、ろくな受け身もとれないまま地に転げてしまった。
「おい!あんま乱暴にするな!大事な商品だぞ!」
「分かってるっての!くっそ、このアマ!そんくらいで倒れてるんじゃねえよ!」
ぎゃあぎゃあと騒ぎながらも、彼女を助け起こそうとするものは一人もいないらしい。
ぐい、と両手の縄を無理矢理引っ張り上げられて、早く立てと促される。
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