薄紅色の約束拝啓
薄紅色の君へ
突然の手紙に驚いたかもしれない。
それでも、俺のこの思いを綴ることを許してほしい。
貴女が好きです。
いつのまにか、君を目で追うようになっていつのまにか好きになっていました。
この思いは叶わないと分かっています。
それでも君を思う気持ちは止まりませんでした。
貴女が好きです。
この気持ちを貴女には知って欲しかった。
これを読んでくれているということは、貴女がここに来てくれたということですよね。
来てくれてありがとう。
俺の思いを知ってくれてありがとう。
どうか、どうか幸せに。
「これ、恋文だ」
八雲の翼竜、不知火(しらぬい)が桜の木の枝に絡まっていた紙を咥えて持ってきたものはなんと恋文であった。
紙はまだ真新しく最近書かれたものだろうということが分かる。
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