碧棺左馬刻生誕祭2022 一郎は悩んでいた。
「あ〜〜〜ど〜〜すっかなぁ〜〜〜。」
目の前にはそこそこお高い石の付いた指輪。
今は緑色に光るソレは自分の為のものではない。
夜は赤く光るという宝石と聞いて、思わず浮かんでしまったのだ。
傍若無人、唯我独尊、俺様何様左馬刻様が。
(こ…いびとになってから、左馬刻に贈り物ってしたことねぇな。)
一郎は充分すぎるぐらい左馬刻からの愛情を貰っている。それに対して一郎も報いようとするのだが、
「ガキからなにか貰おうなんざ思っちゃいねぇよ。」
という一言で封じられてしまう。
同時に左馬刻からは、
「今まで散々傷つけちまったんだ。だからテメェが俺様の事で金使う必要はねぇよ。それくらいなら弟共に取っといてやれ。」
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