17のまま 17の頃に、生まれて初めて愛の告白をした。
今思えば、なんであんな大それたことをしてしまったんだろう。その時、部屋には誰もいなくて。俺たちふたりだけで。ただそれだけだった。どうして口にしようなんて思ってしまったのかなんてわからない。思い余ったとしか言いようがない。マイク片手に肩を並べる度に、背中を預ける度、リズムを合わせる度に少しずつ連なっていった甘くて重いそれ。飯奢ってもらったとかバイクで海に連れてってもらったとか、鼻歌口ずさんでる横顔とか、香水交じりの煙草の匂いとか。本当にささいなことで積み重なってゆくうちに、溢れた感情が勝手に口から零れてしまった。そんな感じ。
しまった、なんて思ってももう遅い。次の瞬間にその人の唇から不要な煙と一緒に吐き出されたのはこんな言葉だった「男のケツに興味ねんだわ」。
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