Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    Tonya

    2025.2 再開。お絵描きの習慣化を目指して、しばらく練習記録を投げる予定です。

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 16

    Tonya

    ☆quiet follow

    お題「暗い祖母」
    ボクタイ
    祖母ではないけど、ばばあ呼びからザジと先代ひまわり娘。

    「ばばあ、どしたん?アンデッドみたいな顔色やで」
    いつになく沈んだ師の表情に不安を覚え、軽口を叩いた。お決まりの喰えない反応は返って来ず、師は「虫の知らせっちゅうことか」と呟いただけだった。
    訝しみながら垣間見た師の表情に、弟子は氷水を浴びたような心地になった。
    その顔が、見たことのないほど深い悲しみを湛えていたから。
    思い返せば、あのとき師は悟ったのだろう。遠からず戦友が倒れ、伝説と呼ばれたその男が築いた平穏もまた崩れ去ることを。
    黄昏が、再び時を刻む。
    星読みだけではない、天性の直感を持っていた人だったから、縁の深い相手の不幸を察知できたのだ。
    虫の知らせ。師の呟きが蘇る。
    正直、己の力量は先代に遠く及ばない。本来ならもどかしいその事実に、今ばかりは縋りつきたかった。
    赤く染まった月。帰らぬ兄弟。
    この予感がどうか外れてほしい。だが、星を読むまでもない。本当の凶事はこうして兆すのだ。目を逸らせも、逃れられもしない、厳然たる姿で。
    「頼むで、ホンマ……」
    悪い予想はな、よう当たるんや。腹立たしいくらいな。そんで、そうと気づく時には大抵手遅れや。
    でもな、ザジ。たとえ最悪なことが起きても、決して諦めたらいかん。歯食いしばって目え凝らせば、ふかーい闇夜にだって希望の星が見えるもんや。
    ええか。ゆめゆめ肝に銘じるんやで。
    「ひまわりはうつむかへん!──ジャンゴは必ず帰って来る。心配料や、ソルデバ代ふっかけたるからな。それに、うちは義理堅いねん。借りも返さんうちにトンズラなんてさせへんよ……サバタ」
    不気味なほど輝く月に呑まれた空を睨む。夜に沈んだ星々が、新たな騒乱の始まりを告げていた。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    Tonya

    TRAININGお題「神のハゲ」
    ボクタイ ジャンゴ
    大変なことをしてしまった。
     ジャンゴは頭を抱えていた。
     窓の外はしとしと雨が降っている。おてんこは籠に入って眠り込んでいた。はみ出たひまわりに似た頭部は不自然につるりとしている。てっぺんの花びら型のパーツが一枚、欠けているためだ。
     欠けたものはどこへいったかというと、ジャンゴの手の中にあった。
     痛ましい相棒の姿にジャンゴは再び視線を下げた。
     おてんこさまを毟ってしまった!
     故意ではない。不慮の事故である。
     なぜこんなことが起きたのか。
     遡ること数十分前。

     最近は雨続きで、今日も細い糸のような雫が街を包んでいた。雨は雨で恩恵がある。リタやマルチェロは結構好きだと言っていた。染み込んだ雨水は大地を潤し、草木の糧となり、やがて空へ帰っていく。自然の循環を感じるらしい。なるほどと思う。
     しかし、ジャンゴは太陽少年である。銃のバッテリーチャージには日光が必要だ。他の武器でも戦えはするが、ソル・デ・バイスのない今、属性攻撃の際にはやはり銃が入用になる。お天気下駄は切らしているし、回復用アイテムでまわすにしても諸々の返済で懐はひと足早く冬を迎えている。太陽スタンドの中身は言わず 4226

    recommended works