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    SA515space2

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    DONEぜろきづ 掛け算ってより足し算宗崎は情報屋であり、殺し屋である。その仕事ゆえに、目立たず偏らず。味方させたいなら、金と信用を。
    そんな家の次期当主、宗崎近月。たった18歳で歴代の当主に劣らない量の仕事をこなす彼は今、この上ない窮地に立たされていた。
    (残り8発。向こうは残り6人。まだいる可能性も、ある)
    たった1人、得意先の邪魔者を消すだけの仕事だった。そのはずなのに、現場である埠頭にに着いた瞬間、10人近い男に囲まれた。嵌められた、と思うより先に身体が動いたのは鍛錬の賜物だろう。しかし、10倍の戦力に立ち向かうのに自動式拳銃1丁と刀1振りはあまりに心許なく。どうにか6人まで減らしたこの時点で、近月の右の手足は半分使い物にならなくなっていた。
    (ここで死ぬわけには、いかないんだけどな)
    ここで近月が死んでしまえば、代わりに遙日が次期当主の座へ据えられることは分かりきっていた。代わりに、というよりは元に戻るだけなのだが。一部の者からすれば、遙日は愚かで扱いやすい、傀儡にできる子どものように見えていることを近月は知っていた。強靭な意志と自由さを併せ持つ、そんな遙日を愛する近月からすれば、到底許せることではない。遙日を守 1425

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    DONEりんはるSS みじかい薄汚れた路地裏に、ガラスの割れる音。転がるのは、意識を刈り取られた複数の人間。
    「喧嘩売る相手は選べよ。ま、楽しいからいいけどなァ!」
    この場で1人だけ楽しそうに笑う仇嶋林檎。本人の性格と父親譲りの強さが、シンプルな暴力という形をとって敵を屠る。武器を持ったまともな人間より、タガの外れた手ぶらの人間のほうが恐ろしい。それを身をもって証明していた。
    一応、喧嘩を売られたという彼の認識は正しい。こんなことになってしまう直前まで、林檎は遙日と一緒にいた。何日も前から約束していて、それなりの準備をした上でのデートだった。それを邪魔したのが、地面と熱い抱擁を交わしている彼ら。すれ違いざま、遙日の服に思いっきり飲み物をぶちまけたのだ。そのうえ、謝るどころか暴言を吐いて去った。その場では被害者である遙日に止められ、着替えを買いに行くことを優先した。が、それから1時間もせずに彼らを見つけてしまった。遙日に近くの喫茶店で待つよう言い、林檎は彼らが消えた路地へと飛び込んだ。
    あえて音を鳴らして存在を知らせれば、彼らは一斉に振り向いた。ニヤニヤと笑ってナイフだの鉄パイプだのを持ち出す彼らが声を発するより、林 1135

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    DONEお仕事するしらさめSS深夜。廃工場の中を走る人影。焦っているのか、時折足をもつれさせながらも転ぶことはなかった。必死に逃げ続け、幾つ目かの物陰に隠れる。息を整えながら、自らが来た方向の様子を窺う。必死に、紫色の行方を探す。
    「どこ見てんだよカス」
    背後から、聞こえてはいけない声がした。振り返るよりも早く視界は暗転する。二度と戻れない暗闇へ、名も無き裏切り者は落とされた。

    「ハズレ、か」
    今しがた作ったばかりの死体を漁る白百合。目的の物はなく、苛立ちながら死体を床に叩きつける。この日の“仕事”の対象は2人。ある物を盗み出し、逃げ出した裏切り者。そんな奴らの尻尾をようやく掴んだのが昼間の話。わざわざ捕まえる、なんて警察のように優しくしてやるはずはない。とにかく、雲隠れさせないためにも今夜中に蹴りをつけなければいけなかった。しかしこちらが目的の物を持っていないとなれば、片割れが本命であることは明白。
    (ゴミのくせに頭回りやがる)
    逃げることを目的としている以上、二手に分かれるのは当然ではある。それでもやられた側としては腹立たしいことこの上ない。煙草を取り出そうとポケットの中に手を突っ込むと、入れてあった端末が震 1603

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    DONEなるみやさんの子と雨ままの子しか出てこないです狂ったような笑い声が響く。いや、「ような」ではない。とっくの昔に声の主は狂っていた。
    「釛、釛、俺の釛!!もっと来なよ、刀も弾も全部受け止めてあげるからさ!」
    斬り捨てられたはずの首も、鉛玉を撃ち込まれたはずの脳天も無傷。痛みも感覚も確実にあるはずなのに、仇嶋釛に与えられたというだけで悦に浸っている。その動きだけは、美しく舞うようで。彼を、絵羽嶋暁を仕留めようとする者たちを苛立たせる。
    「……化け物」
    捨て駒として雇われた名も無き青年の言葉は、雇い主だけに向けられたものではなかった。人間離れした動きについて行く、2人の男。憎悪に燃える赤色が重い一撃を放つ。自分以外を守ると決めた黄金が周囲を斬る。全てを狂わせた紫色を、始末するため。
    「殺してやるから、さっさと死ねよ!!」
    その赤髪に象徴されるような激情を滾らせ、乾楓は叫ぶ。過去の精算と、未来の礎のために。こいつだけは、絵羽嶋暁だけは絶対に殺すと誓っていた。そんな楓の猛攻を、暁は軽く躱していく。釛のもとへと行こうとするのだけは、どうにか阻止されていた。
    一方の釛は、襲いかかってくる見知らぬ男たちをひたすら斬り捨てていた。金につ 960

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    MOURNING創作軸の氷雨と双子
    氷雨20歳、双子10歳くらいの想定
    ただ、運が悪かった。
    朝から彼女の機嫌は最悪で、目につくもの全てに怒りをぶつけていた。何かが割れる音を聞きながら、氷雨は仕事のために部屋へ入った。その瞬間、氷雨は結んだ髪を掴まれて無理やり跪かされる。視界の端に、大きな裁ち鋏を持った手が見えた。
    ざくり。青いリボンの切れ端と焦茶色の髪が床に散る。思わず拾い上げようとした氷雨の手は、力いっぱい踏みつけられた。
    「お揃いのリボンなんてして。あの子の兄にでもなったつもり?」
    「……申し訳、ありません」
    氷雨は謝り、ひたすら耐え続ける。自分以外に怒りの矛先が向かないように。小さな主たちが、傷つけられないように。
    1時間近く罵倒を続け、やっと落ち着いた彼女から出ていくよう命令される。部屋の外で近月が待っていた。何も言わず、氷雨の手を掴んで引いていく。大人しくついて行った先にあるのは、双子の部屋。
    「ここ、座って」
    近月は椅子を出し、座るように氷雨を促す。言われた通りにする彼を一瞥し、近月は机の上に梳き鋏や櫛を並べる。それらを器用に使い、氷雨の髪を整えていく。
    「……なに、してんの」
    その声に、2人はドアの方を見る。そこにいたのは、遙日だった。
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