【豹変する君】ヒュンポプ「ただいまハニー。待たせたな」
帰って来るなりそう言ったヒュンケルに、ポップは持っていたカップをガシャン!と取り落としてしまった。
「な、何言ってんだ?頭大丈夫かヒュンケル…?」
「オレは大丈夫に決まっている。ハニー、ようやく会えたな、今すぐただいまのキスを…」
「わああああ!!!」
す、と音もなく傍に近づいたヒュンケルは、ポップの腰を引き寄せて、抱きしめ、そして顎に手をかけ上向かせて、顔を近づけた。
その手馴れた所作に、ポップも流されてしまいそうになるが、慌てて、ヒュンケルの顔に手を押し付けてグイグイと離れようとした。
おかしい、おかしい。
普段のヒュンケルじゃない。いつものような、表情の見えない奴じゃなく、ポップを見る目はうっとりと目を細めて愛おしそうにしていて、頬を赤く染めている。ポップはそんなヒュンケルに、鳥肌が立ち、ゾワゾワと寒気がした。
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