【過去よりも今を君と】ヒュンポプ外はどんよりと曇り、しとしとと雨が降り始めた。
風もなく静かに降る雨は、静かで。いつもの外の喧騒などどこへ行ってしまったのかと言うくらいに
昼間だというのに街は静まり返っていた。
同じ日に休みという稀な今日の日に、家の中でポップとヒュンケルは同じ部屋にいて、お互いに何を話すでもなく、ただ静かに寄り添って、休みを満喫していた。
「雨降ってきたみたいだな」
「そのようだな」
「今日は外に出なくて正解だったなぁ」
ソファに座るヒュンケルの足元にポップは座り込み、ヒュンケルの足を背もたれにしながら城から持ち帰っていた魔導書を読んでいる。
視線は本から離さずにポップは呟けば、ヒュンケルは視線を窓に向けて、雨によって霞む外の様子を見ていた。
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