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    shishiri

    @shishi04149290

    マリビ 果物SS

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    shishiri

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    ホラーアンソロジー『果物語』に掲載された皆さんの作品の中から。小説の感想を……。個人宛でそれぞれ送らせていただいているので、ここでは手短に。

    【凡さん】
    因習に託つけた人の欲と悪意が恐ろしい。淡々とした筆致と丁寧な描写から滲む恐怖に、そこはかとないエロスが作品に色を添えていらっしゃる。過去と現在がほんの一瞬交わる不思議さも良かったです!
    【なべぶたさん】
    裏話を拝見して成る程と。バラエティに富んだ元ネタを、日常に溶け込ませるようにアレンジされたその手腕が素晴らしい!彼岸と此岸の境は生活から離れた所にではなく、こんなふうに思いがけない場所に潜んでいるのかもしれませんね……。
    【クロロさん】
    呪い屋なる、見えない悪意に恐怖を感じる一方で、抑えきれなくなる好奇心。それこそが相手の思う壺、だった……?原作の設定を踏襲したスムーズなイントロから、思いがけないスプラッタ。そしてそれ以上の驚きの結末が、今後の彼らに待ち受けているのかと思うと……。
    【小春さん】
    思いがけないといえば、小春さんの作品も。ほのぼのとした日常に、ぽんと放り込まれた違和感、無邪気な悪意。それが滲むようにだんだんと拡がり、匂わせで終るその先は、我々読者がよく知るエンディングに繋がるものだと分かった時の切なさときたら……。
    【Bi様】
    行間どころか、その言葉一つ一つから滲み出てくるような恐怖。徹底した描写が作り上げる重厚感に圧倒されました。どれも読み応えがありましたが、ミステリー要素の強い『厄介』が特に刺さりました。お伺いしてみたら、あまりホラーはお読みにならない、とのお返事で。これはもはや、センスの賜物。
    【三徳さん】
    一つの町を舞台にした、壮大なお話。その町全体に蔓延る悪意、怪異に二人が呑み込まれてしまった……。と私は解釈していたのですが。裏話を拝見して目から鱗。彼ら自身が持つ罪悪感が初めて発露したその時に、内なるものから生まれる恐怖に、支配されてしまったのですね。これは発想の勝利……!

    イラスト、漫画、小説と、様々な手法で表現されたホラーを一度に味わえる大変贅沢な時間でした。
    ホラーとは、恐怖とは……と考えたとき。それは普段、私たちから離れたところにあるようでいて、実はほんの僅かな隔たりがあるだけの、ごく身近なところに潜んでいるのだな……。と改めて感じた今年のお盆でありました。
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    recommended works

    zeppei27

    DONE企画4本目、加糖さんよりご指名頂いた黒田で、『分け合いっこ』です。豪快さと可愛さの合わせ技、黒田君はいろんなものを何の気なしに分け合ってくれるような気がします。多分他意はないんだ……あるって言って!
     リクエストありがとうございました!
    太陽の共食い 薩摩藩上屋敷は夏真っ盛りだった。縁側をみっしりと埋め、前庭に敷いた筵一面に広がる夏の成果に、黒田清隆は目を疑った。江戸に来てから久しいが、このような異様な光景に出くわすのは初めてである。
    「西瓜……だと?」
    「その通りだ、黒田」
    朋輩たちがわらわらと興味本位で群がる様に呆然としていると、のっそりと大きな影がさした。いついかなる時も沈着冷静な人は誰であろう、大久保利通である。流石に彼ならば事情を知っているに違いない。こちらの困惑を見て取ったのだろう、利通は淡々と続けた。
    「篤姫様が、暑気払いにと御下賜されたのだ。京の都から取り寄せたらしい。……一人一つだ!欲張るでないぞ!」
    「承知しもした!」
    すかさずちょろまかそうとした輩がいたのだろう、利通の一喝ですぐさま場の空気が引き締まる。確かに、薩摩の暑さに比べれば江戸の夏など可愛らしいものだが、暑いには変わりない。西瓜のみずみずしい甘さは極上に感じられるだろう。篤姫も小粋な計らいをしてくれたものだ。
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