何でホラーが好きかって話ホラーなどの怖い話や血生臭い話がとても好きです。
ホラーが好きだ!というと、何で好きなの?と時々聞かれます。
信じられん……悪趣味……みたいな顔をされることもあります。
当然、あり得る反応だと思います。
現実世界では、オバケやら殺人事件などの「恐ろしいもの」は、忌避されるものだと思います。
そんなモンに自ら頭を突っ込んで喜んでいるような行為は、理解し難く、不可解に見えても仕方ありません。
そう感じる人の方が多いのかも。
実際、私はリアルでホラーが好きな人間には2人しか出会った事がありません。
理解してほしいなんて傲慢だし思ったことはないのですが、いろんな人間がいるな…🤔くらいに思ってもらえると嬉しいな、と思います。
私がホラーを好きな理由は、
・幼少期から身近なエンタメだから
・ヒーリングだから
主にこの2つです。
まず「幼少期から身近なエンタメだから」、という件ですが
前提として、私には幼少期からTVのチャンネル権がありませんでした。
物心ついた頃から、我が家では母の趣味でミステリーとホラースリラーがエンドレスで流れていました。
皆が天才てれびくんを見てる中、
私は松本清張シリーズや名探偵ポワロ、BONESを見て育った訳です。
余談ですが、うちのテレビは両親が熱狂的に応援してる阪神戦、年の離れた兄達の見るお笑い番組、土日は競馬番組で埋め尽くされ、隙間にゴルフ中継と釣り番組が挟まる…………という幼児に一切の容赦が無い環境でした。
皆さん、釣り番組って見たことありますか?
ビビるほど退屈。
おじさんたちが川の水に浸かってたり、海上で船に揺られるシーンが延々と流れる。
特殊なグラビアか?
何のために見るのかわからん。
お好きな方がいたら本当に申し訳ありません。
このため、スポーツ観戦も競馬も釣りも苦手です。お笑いは好きです。
また、この頃は丁度学校の怪談や、ほん怖が全盛期の頃でもありました。
テレビでは定期的に怖い話が流れ、図書館にもたくさん怖い本があり、エンタメとして消費されていました。
これも大きな一因だと思います。
そして、家族の誰も心霊現象を全く信じていませんでした。
怖い夢を見た!とか金縛りに遭った!とか何かしら怖い目にあったと親に泣きついても、非常にさめた目で静かに「それはな、気の所為や……早よ寝え……」と言われるので、子供だった私もスン……とならざるを得ませんでした。
誰も信じていないから、完全にフィクションとして受け取る癖がついたと思います。
あと、関係ないかもですが、実家が墓場の横です。
かなり昔からある墓場で、整備された綺麗な墓場のもう半分は土葬が残ってるような所でした。
そんな中、通学、ピアノ教室、友達の家などへ行くのも、社会人になり飲んで歩いて帰る時も、朝も晩も深夜も私は墓場の中を通り抜けていました。
周りが坂ばかりの実家で、自転車に乗る練習が出来なかった幼稚園児の私は、平らに均された墓場の長い一本道で自転車を乗り回し、補助輪を外すことに成功しました。
怖い話で肝試しの場になる墓場も、完全に私の日常の一部でした。
というわけで、ホラーっぽいものは怖いものではなく身近なもので、エンタメにもなるのだと幼少期から叩き込まれていたのです。
あともう一つの理由ですが、ホラーは私にとってヒーリングだという事です。
高校の頃、乗り越えようのないしんどい事があり、何も考えたくなくて感情が揺れることを恐れていました。
ずっと寝ていられれば何も考えなくて済むのですが、当然生態的に不可能なので、本当に困りました。
学校へ行けば友人が居て気が紛れるしうるさいのでボンヤリ出来るのですが、通学で使う人の少ない電車や駅からの田舎の帰り道、一人で部屋にいる時、静けさが考える余地を生んでしまい目眩がしていよいよ参っていました。
そこで、私はできる限り映画を延々と見続けることにしました。
考える前に情報を突っ込みました。
家にはアクション映画やヒューマンドラマ等もたくさん置いてあったのですが、感情が揺さぶられる描写や逆に退屈なシーンがあったりとダメでした。
とにかくサスペンスとホラーが最高でした。
ドキドキして要らない事を考える隙を与えてくれないのが良かった。
びっくりすると全てが吹っ飛んで凄く安心しました。
恐怖を感じるとエンドルフィンとアドレナリンが出るそうです。
これらの脳内物質と、観終わった後の安堵感で気分が高揚するのも良かったのかなぁと思います。
そして、映画内の出来事ほど不可解で酷いことは現実にはない、
フィクションなんだと思うと同時に、理不尽な出来事ってあるんだなぁ仕方ない事なんだなと、相反する理解も得られた気がします。
このどちらも私には必要でした。
通学中はひたすら本を読みました。
この時、京極夏彦と森博嗣を覚え大変助けられました。
分厚い!読み終わらん!ずっと頭に文字が入ってくる!面白すぎんか?!夢中になれる!最高!でした。
こうしてミステリーを読み続けホラーを観続け、騙し騙し精神を落ち着かせていたのですが
こんな生活をしていたある時、兄から
お前何なん 気持ち悪い
と言われました。
今思えば、死にそうな顔をしてひたすらホラーを観る9歳年下の妹は、さぞ不気味だったでしょう。
「せやな…………」と今は思えるのですが、心に深く突き刺さって未だに忘れられません。
我流ながら自己回復をはかれたんだからメチャクチャ偉かったやん!て今は当時の自分を褒めています
ここまでいう人は兄以外にいませんでしたが、ホラーが好きと居うと少なからずウワ…って反応をする人はいたので、リアルでは言わなくなりました。
私はホラーが好きです。生活のひとつかもしれない。
キモ!と思われても、確かに……!と思うのですが、いろんな楽しみ方や感じ方、消費をし、趣味が悪いものにも救われてるような人種がおるんや……と思って放流して頂けるとものすごく幸いです。
あと、オススメホラーがあったら教えてください。