熱気誕小説2022.8.15 熱気誕ネタ
「ねぇ!レイは知らない?」
「ん?何がだ?」
いつものようにアクショの部屋でバンドの練習の休憩時間。
バサラが屋上に向かったのを確認するとミレーヌはレイに問いかけた。
「バサラが欲しい物よ!」
「…あぁ、その事か」
明日はバサラの誕生日なのでミレーヌは何かプレゼントをしたいと思っているのだがバサラが欲しがる物が全然分からず色々聞いて回っているのだ。
「ガムリンさんに聞いても分からないって言うのよ〜!でもレイなら知ってるんでしょ?」
「残念だが、ミレーヌ……俺も知らないんだ」
「え〜〜??レイでも知らないのぉ〜??」
見当が外れてビックリしたミレーヌは一か八かでビヒーダの方を向くがビヒーダも首を横に振ってドラムを叩いた。
「どぉしよぉ〜〜……レイだけが頼りだったのに〜……これじゃバサラに何もあげられないじゃない……」
がっかりしてしょんぼりとするミレーヌの頭をレイはぽんぽんと撫でると提案した。
「この際だ、直接バサラに聞いてみたらどうだ?」
「えー!?そしたらサプライズにならないじゃない!」
「まぁまぁ、分からないで何もあげられないよりちゃんと聞いて喜ぶ物をあげた方がいいだろ?」
「ん〜〜……わかった」
サプライズをしたかったミレーヌは少しつまらなさそうに屋上へと向かう。
屋上に上がると休憩時間だと言うのにバサラはギターをかき鳴らしていた。
「……ねぇ、バサラ!」
「ん?どうしたミレーヌ」
ミレーヌが声を掛ければギターを弾く手を止めてバサラは振り向く。
「バサラって何か欲しい物ある?」
「………何もいらねぇよ」
「何もいらないって……何か無いの?」
再びギターを奏で始めるバサラに駆け寄って回り込むとミレーヌは顔を覗いて問い掛ける。
「誕生日の事だろ?別に何もいらねぇよ……俺はミレーヌやレイ、ビヒーダとこうやって歌えるだけで充分だ」
そう言って優しい声で歌い出すバサラ。
「バサラ……」
バサラの言葉にミレーヌがキュンとしているとこっそり様子を伺っていたレイとビヒーダの姿が見えた。
「……決めた!明日はここでバサラの誕生日ライブをするわよ!レイー!ビヒーダー!いいよね?」
レイとビヒーダに声を掛ければ2人は頷く。
「ふふ!決まりね!バサラ!明日はアンタの歌いたい曲、何曲でも付き合ってあげるわ!好きなだけ歌いなさいよ!」
「ミレーヌ……!へへっ、やってくれるじゃねぇか!」
ミレーヌの提案にバサラは嬉しそうにニッと笑うのだった。
Happy birthday!!