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    9660moyunata

    @9660moyunata

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    9660moyunata

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    お人形クロロレ。
    2人でパーツ交換しているうちにどっちがどっちだかわからなくなって、段々パーツが減ってきて1人になっちゃう話。
    時系列は話の内容的に重要ではないけど、5年後の見た目のつもりで書いてます。
    小説という程ではないメモ書き。

    ##風花
    ##クロロレ

    「なぁローレンツ、悪いんだけど片腕貸してくれないか? 真ん中の辺りにヒビ入っちゃってさ。明日は演練の予定だけど今日の明日じゃ修理が間に合わない」
    「全く不用心だな。それで? 一体どちらの腕なんだ」
    「右腕」
    「おい!利き腕じゃないか。 仕方がないから貸してやるが、武器を持つ前に動きと感覚を確認しておきたまえよ」
    「ありがたいねぇ。そんじゃ、ローレンツには俺の右腕預けておくよ。別に使ってくれてもいいんだぜ?」

    「なぁローレンツ、やっぱり脚が長いと便利なのか?」
    「さあな、僕はこの身体以外になったことが無いから何とも言い難いな。まあ、君に比べれば脚立の世話になることは少ないだろうね」
    「ふーん。ちょっとさ、俺に両脚貸してくれないか?」
    「全く何を言うんだ。脚の付け替えが大変なことくらい君もわかっているだろう」
    「まあそう言うなって。この前みたいに破損してお互いの身体を借りることになったとしてさ。事前に感覚を知っておけばスムーズに戦線復帰、なんてことができるかもしれないだろ?」
    「まあ......そうかもしれないが。きちんと後で返したまえよ」
    「へいへい、ありがとさん」

    「なぁローレンツ、お前はどんな景色が見えているんだ?」
    「は? 君よりはいくらか高い景色が見えているだろうな」
    「あーいや、そういうんじゃなくてさ。ほら、あそこにリンゴがあるだろ? 俺もお前もあの色を赤と呼ぶが、本当に見えている色は同じか?」
    「......。そんなもの、お互い入れ替わってでもみない限りわからないだろうに」
    「そうなんだよなぁ。ってことでさ、ちょっと目を交換してみないか? 虹彩の色が違うなら見える色も違うんじゃないかって気になってるんだよ」
    「全く、君は子供のように好奇心旺盛だな」

    「なぁローレンツ、こっちが俺で合ってると思うか?」
    「はあ?君は一体何を言っているのかね」
    「ほら、この前頭を交換しただろ? 確かに喋っているのはこの頭だが、一体何を持ってして俺だと言っていいのやら」
    「ふむ、君の身体の部品の大半はこちらにあるからね。僕にもそれは判断し難いな」

    「なぁローレンツ、お前頭はどこにやったんだ?」
    「え、うっかり落としたら割れちまった?! おいおい、何やってんだよ」
    「使い慣れてない腕だから力加減を間違えたって? その上どこかに転がっていって見つからない? うわー、どうするんだよそれ」
    「うん、まあお前の言いたいことは聞こえるというか聴こえるから問題ないよ」
    「さあな? やっぱり意識っていうのは心臓のあたりに宿ってるってことなんじゃないか? いや、俺たちに心臓は無いんだけどさ」
    「うーん、それなら俺の意識は身体じゃなくて頭にあるってことなのか?」
    「もしかしてお前、寂しくなってこっちの身体に意識移してきたのか? 痛っ?! 俺の腕使って俺のこと殴るのは無しだろ?!」
    「へぇー、お前もちゃんと見えてるのか。まあこの目、元々お前のだったしな」
    「え、わざわざ声に出さなくても俺の考えてることがわかるって? ふーん、それじゃあさ」
    「......」
    「あっはは、怒るなって!照れ隠しか?」

    「なぁローレンツ、どこに行きたい? お前が望むならどこにだって連れていってやるよ。海の底でも空の果てでもさ」
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    9660moyunata

    DONEテレビゲームをするだけの現パロ年後クロロレ
    光属性ですご安心ください。
    「ローレンツはゲームとかしないのか?」
    「そんなもの、時間の無駄だろう」
    やっぱりそう言うと思った。庶民の娯楽に現を抜かしてる暇なんてありませんって顔に書いてある。
    「じゃあさ、1回だけ対戦付き合ってくれないか? このゲーム1人でもできるんだけどさ、せっかく買ったんだしちょっとくらい人と遊んでみたいんだよ」
    「仕方がないな、1度だけだぞ」
    ローレンツはせっかくだから、とかそういう言葉に弱い。あいつは俺のことに詳しいなんて言っているが、俺だって負けてない。ローレンツが俺のこと見続けているなら同じだけ俺もローレンツを見ているんだ。
    今始めようとしているゲームはいわゆる格闘ゲームだ。さすがに初心者のローレンツをこてんぱんにするのは気が引けるから、あえて普段使わないキャラクターを選ぶ。それでも俺の方が強いことに変わりはない。手加減しつついい感じの差で勝たせてもらった。
    「......。」
    勝利ポーズを決めている俺のキャラクターをローレンツが無表情で見つめている。よし、かかったな。
    「クロード、もう一戦だ」
    「おっと、1回しか付き合ってくれないんじゃなかったのか?」
    「せっかく買ったのに 1372

    111strokes111

    MAIKING「説明できない」
    紅花ルートで戦死した記憶があるクロードと青獅子ルートで戦死した記憶があるローレンツの話です。
    2.振り出し・下
     士官学校の朝は早い。日の出と同時に起きて身支度をし訓練をする者たちがいるからだ。金鹿の学級ではラファエル、青獅子の学級ではフェリクス、黒鷲の学級ではカスパルが皆勤賞だろうか。ローレンツも朝食前に身体を動かすようにしているがその3人のように日の出と同時には起きない。

     ローレンツは桶に汲んでおいた水で顔を洗い口を濯いだ。早く他の学生たちに紛れて外の様子を見にいかねばならない。前日の自分がきちんと用意していたのであろう制服を身につけるとローレンツは扉を開けた。私服の外套に身を包んだシルヴァンが訓練服姿のフェリクスに必死で取り繕っている所に出くわす。

    「おはよう、フェリクスくん。朝から何を揉めているのだ?」
    「煩くしてすまなかった。単にこいつに呆れていただけだ」

     そう言うと親指で赤毛の幼馴染を指差しながらフェリクスは舌打ちをした。シルヴァンは朝帰りをディミトリや先生に言わないで欲しいと頼んでいたのだろう。

    「情熱的な夜を過ごしたのかね」

     呆れたようにローレンツが言うとシルヴァンは照れ臭そうに笑った。

    「愚かすぎる。今日は初めての野営訓練だろう」

     フェリ 2066