「…ん、………ん?」
私はもう目を覚ましたというのにスマホから寝息が聞こえる。もしかして、そう思いながらロックを解除して見ると昨夜から通話を繋げたままになっていた。
今の時刻は午前11時、長く寝すぎたな…、と思うと同時に『なんでこいつは寝ているんだ』と思った。
「りーん、倫道さ〜ん、…完全に寝てんなこれ」
きっと今日がチートデイだったんだろうな、これは。
切るべきか悩み始めた瞬間、あっちから聞き慣れないけど聞いたことがある、高級感のあるウインカーの音が聞こえてきた。
「……あんた今どこにいんの?」
「はすサン?」
聞き慣れた声、高級感のあるウインカーの正体に納得が行った。
「ビル?…もう何となく分かった、2人は今どこに向かってるの?」
「一緒に次の大会の様子見と調整をする予定だったんですが、今日のりんどークンがチートデイらしく」
「あ、やっぱチートデイではあるんだ…」
「今はりんどークンの家に向かっています」
「………………え?ここに?なんで?」
「『チートデイなら蓮と食べる物を合わせられるからな』と言っていましたよ」
「…なるほど?私と一緒に飯食いたいから帰ってくると。えっ着替えるのだる…、Uberじゃダメかな…」
「はすサンが良ければ、ですが僕も一緒に昼食付き合ってもいいですか?」
「いいよ、あと何分くらいで着く?」
「信号に引っかからなければあと2分です」
「マジ!?ちょっと待って急いで着替えてくる…!」
大慌てで着替えて、ルンバを走らせた1時間後にはテーブルの上にピザとたこ焼きとラーメンとパスタとアイスが並んでいた_______。