前回のあれこれ ごう、と音を立てて砂埃が巻き上げられる。陽の光を吸い込んで生温くなった鉄の扉が、青年の遅い戻りに苛立ったのか、歯軋りのような不気味な音を立ててゆっくりと扉が開かれた。差し込まれた光の筋の中で、埃が逃げ惑って宛所もなく散っていく。
此処は“組織”の地下研究所。人里離れた場所に作られており、今では人口が減ったとされる錬金術師が、追い立てられた合成獣(キメラ)が、研究所の中で各々生活をしている。今日も今日とて、息を潜めながら細々と過ごしているわけなのだが──……
出入口傍の廃材置き場では、何に怯えるでもなく、衣服が汚れるのも気にせず、一人の青年が床に座り込んでなにか作業に集中していた。
その後ろから、白い
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