レンタル彼氏のふーふーちゃん☆
「浮奇、今日は俺とどうだ?」
そう言って腰に回された手を払い、代わりにチラと目をむけ手を振ってやる。
行きつけのバーをコツコツと音を鳴らしながら奥へ進み、今日は誰の相手もする気はないのだと気配で示しながら、お気に入りのカクテルを注文した。
最低で最高のビッチだと、自他共に認めている訳なのだけれど。
何回も繰り返される同じ台詞と同じ夜、そしてベッドで眠る男を見下ろしてから帰路に着く同じ朝に飽き飽きしていた。
「はあ………。」
「ハァイ、浮奇。ため息とか珍しいねベイビー?……今日は良い男いなかったの?」
「……ショートじゃん。そっちこそどうした訳?『ハジメテ』もまだな仔猫ちゃんが勇気を出すにはここはちょっと敷居が高いけど?」
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