暗殺者　バットエンド彼は「アキ」というらしい。
俺を監視する人物。
今日一日はオレの様子を伺っていた。
オレは逆にアキを見つめている。

「オメェ、なんもリアクションしねぇのかよ」
「何って、何もする事ないし」
「あっそ」

アキは諦めたのか、テレビをつけだした
『▲▲会社の…新開隼人の死亡が確認され…』

オレ死んだのか。
「そういう事だからァ。オメェの仲間のお迎えも絶望的ってことだ」
隣に座っていたアキが口角をあげニヤリと笑った。


1日目
アキがハンバーガーをオレに投げつけた。
どうやらご飯らしい。
「食べていいのかい」
「餌が死んだら意味ねェからよ」
ご飯は用意してくれるらしい。
飢死はせずにすみそうだ。
今日もアキを観察する。ふっとした横顔が美人に見えた。

2日目
朝起きたらアキがいない。
どこかに行ったのだろうか

3日目
昨日はアキは帰ってこなかった。
オレは部屋から出ることもできない。
出たら首のチョーカーが爆発するからだ。

3日目夜
アキが帰ってきた。
唯さえ白い肌が真っ青になって顔色が悪い。
玄関で出迎えたが、倒れ込んできた。
いくら痩せているとはいえ、成人男性だ。体重がのしかかってきて重い
「アキ、アキ」
オレはアキを揺らし起こした
「ァ……退けっ…」
アキはフラフラしながら、自分のベットに倒れ深い眠りについた。
何かあったのだろうか
横になって死んでるように眠っているアキを見ながらオレは床で寝た。

4日目
「お前さァ、本当になんも探らないのかヨ」
二箱目のタバコを開け始めるアキ
「探るって言っても、オレは表では死んでるし、みつけたところで大したものじゃないだろ」
「大正解、よくわかっているじゃナァイ」
口では笑っているようだが、目が苛立ちが目立つ
オレが仲間を誘き寄せない事に苛立っているのだろう。
「オレはアキが一緒と一緒にいられるんなら幸せだぜ」
指を銃の形にしてアキに向ける
「ッセ」
アキはそっぽ向き、台所に消えた
今日のご飯はなんだろう

5日目
いい加減に風呂入れとアキからタオルを投げつけられ、無理矢理お風呂に押し込まれた。
久しぶりに自分の顔を見る。
髭、伸びて来たなぁ

6日目
食糧を多めに持ってきたアキ
何日か家を開けるらしい。

10日目
アキが食糧を買い込んでくれたおかげで、4日飢えをしのげた
アキが帰ってきて、オレが出迎えた瞬間にイヤな顔される。
「断水してなかっただろ、風呂入れヨ」
「アキがいつ帰ってくるかわからないのに、入っていられないよ」
ハァ…と深いため息を吐くと、そそくさとタバコの箱を取り出し吸い始めた
そんなに、匂い気になるならタバコをやめればいいのに

11日目
アキは一日中家にいるらしい
テレビを付けたら「…突き止め、〇〇暴力団が…」アキが急にリモコン取りあげ消した
都合が悪い情報なのだろうか

12日目
「本当、オメェ、このままでいいのかヨ」
三箱目のタバコを開けるアキ。三箱も開けるのは初めて見た。
「オレはオメェさんとこうやって、暮らして行けたら何も欲しくないぜ」

冷めた目がオレを突き刺さる
「ったくヨ、髪伸びたな。切って…イヤ、お前そのまんまでいいや」
アキが手を差し出すと、こめかみから首元にかけてオレを撫でるように触った。
ちょっとくすぐったい
「ゴミついてたヨ」
フッと悲しく笑うアキが綺麗に見えた

13日目
今日も一緒にいるらしい
アキと一緒に食べるご飯
横を見ると食糧が買い込んである。また長く家を開けるらしい。
「…かァ」
ぼそっとアキが呟いた
「どうしたんだい」
「なんもねぇヨ」
悲しそうに目を閉じるアキ
どうしたんだろうか

14日目
アキが帰ってこなかった。
前もと同じ今日は帰って来ないんだろう

15日目
アキが帰ってこなかった。
食糧は十分すぎるほどあるから大丈夫だろう

16日目
アキが帰って来なかった。
珍しいな、大体三日には帰ってくるんだけど。

17日目
アキが帰って来なかった。
どうしたんだろう、オレはゴミの山に埋まりながら眠りにつく

18日目
アキが帰って来なか…