「麗しき私と変な女 3」 私はラーメンを奢ってもらったので鉄花の親友になり、通学路で話すくらいのことはしてあげるようになった。
「次、何食べる? あ、間違えた。奢ってくれる?」
「ふふ、くもりさんって食いしん坊ですね」
「それってかわいいって意味? じゃなかったらぶつ」
「半分くらいはそうなのでぶたないでください」
そう言って鉄花は両手で頭をかばう。
私は振り上げかけた拳を下ろしてやる。寛大にも、慈悲深く。
「許してあげてもいいけど、私はお寿司が食べたいなあ。一貫500円くらいのやつ」
「それは……さすがに……。二貫くらいしか奢れません」
「じゃあそれでもいいよ。残りは私が払うから」
「え?」
「鉄花のぶんも私が払うし」
鉄花はひどく不審げな顔になった。
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