【不滅の薔薇と白いボロ切れ】むかしむかしのそのむかし。
大変美しい薔薇のような青年がありました。
青年と同じように美しい母は人間でしたが、力強く恐ろしい父は炎の神でした。
兄や姉達はごく普通の人間でした。
しかし、末息子である青年の強さ美しさ聡明さをいたく気に入っていた父神は、青年に祝福を与えました。
青年の心臓を神の国に移してしまい、青年は死なずびととなってしまったのです。
いつまでも若く美しく、どんな酷い怪我も見るまに治ってしまう死ねない身体になってしまいました。
この為に母は人々から「悪魔を生んだ魔女だ」と迫害を受け、心を病んでしまいました。
自分がいる限り、どこに行っても同じ扱いを受けるだろうと思った青年は母達の元を去りました。
呪われた永遠の命を得た青年の、長い孤独の日々が始まりました。
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