酔ってちゅっちゅしてるミタロイ暖炉の火が部屋を柔らかく照らし、ワインの香りが漂う中、ミッターマイヤーとロイエンタールはソファに寄り添っていた。

ロイエンタールは酔いが回り、普段の凛とした美丈夫らしい気高さが薄れ、無防備に緩んだ表情を見せている。金銀妖瞳が火の光に揺れ、儚げに輝いていた。
ミッターマイヤーはその姿を見つめ、胸の奥が温かくなるのを感じていた。

「普段はあれほど完璧で気高いのに」とミッターマイヤーが静かに言う。ロイエンタールはグラスを傾けたまま、片眉を軽く上げてこちらを見た。
「何だ？」と掠れた声で返し、その柔らかな響きがいつもより親密に感じられた。

ミッターマイヤーは穏やかに笑みを浮かべ、ロイエンタールの肩にそっと手を置く。
「おれにだけ見せるこの表情、このギャップが愛おしいよ。無防備で、少し緩んだその姿が本当に魅力的だ」
ロイエンタールの手が一瞬止まり、グラスをテーブルに置く仕草が目を引く。
普段の気品ある美貌とは裏腹に無垢なその動きが、彼の魅力を一層際立たせていた。頬がワインのせいだけではない赤みを帯び、ミッターマイヤーはその変化に気づく。

「戦場では誰よりも凛として、誰もが目を奪われる美しさを持つのに」とミッターマイヤーが続ける。
「今こうやっておれに寄りかかり、目を細めて笑う姿がたまらなく可愛いよ。普段の気高さとこの無防備さのギャップが、本当に愛おしいんだ。こうやって照れてるのも可愛くて仕方ない」

ロイエンタールの頬がさらに赤く染まり、金銀妖瞳がミッターマイヤーを捉えた。
視線に鋭さはなく、照れ隠しのような柔らかさが滲む。

「酔うとずいぶん饒舌になるな」と小さく呟くが、声には動揺が隠しきれていなかった。
美しい顔が照れによって人間らしい魅力に満ち、普段の完璧さとの対比が愛らしさを際立たせていた。

ミッターマイヤーは微笑みながら、ロイエンタールの顎に軽く手を添えて顔を上げさせる。
「照れてるのがよくわかるよ。顔が赤いのがその証拠だ」と穏やかに言うと、ロイエンタールは視線を逸らし、「馬鹿なことを言うな」と呟いた。その仕草さえ、気品ある美人さとは異なる愛らしさだった。
ミッターマイヤーは我慢できず、ロイエンタールをそっと抱き寄せる。

「おれにだけ気を許してこんな表情を見せてくれるのが嬉しいよ」と囁きながら、彼はロイエンタールの唇に自分の唇を重ねた。
最初は軽く触れるだけの柔らかなキスだったが、ミッターマイヤーが促すように唇を舌でそっと撫でると、ロイエンタールは「あ…っ」と小さく声を漏らし、大人しく口を開けた。

その控えめな反応にミッターマイヤーの胸が熱くなり、さらに深くキスを求める。
舌を絡め、優しく吸うと、ロイエンタールの肩が小さく震え、「っは、んぅ…」と掠れた吐息が漏れる。
普段の冷静さとはかけ離れたその姿が、ミッターマイヤーにはたまらなく愛おしかった。

ロイエンタールは目を閉じ、ミッターマイヤーに身を委ねるようにしてキスを受け入れていた。
金銀妖瞳が隠された瞼の下で微かに揺れ、長い睫毛が火の光に照らされて影を落とす。

ミッターマイヤーが唇を離すと、ロイエンタールは小さく息をつき、「お前にはどうにも敵わないな」と呟いた。
照れ隠しの言葉が、彼の美しさと可愛さを一層際立たせていた。