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    MiraN__suBgamE

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    MiraN__suBgamE

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    ちょっと盛り上った魂喰パロ。ブラックルームのタルと邪タル(のようなもの)と先生。疲れた

    12/1 ちょっと修正

    魂喰パロ「ようこそ"アヤックス"! さぁ、準備はできてるよ?ピアノの調律も完璧だ。思う存分楽しんでくれよな」
    「その名前で呼ばないでくれる? 俺は"公子"タルタリヤだ」
    「ははっ! まあ、そういう事にしておくよ」


     紫と黒のチェックで敷き詰められた気味の悪い箱に大きなグランドピアノが鎮座している。所々音飛びのするレコードからは故郷の音楽が耳障りに響く。楽しそうに俺を歓迎した男は俺と瓜二つの顔で、光のない紫の目をニヤニヤさせながら見つめていた。

    「さぁ、今日はどんな曲を弾いてくれるのかな? 俺的にはとびっきり刺激的で、我を忘れるほど熱烈な曲をリクエストするよ」
    「誰がお前のリクエストを聞くか。お前はこの部屋だけ貸してればいいんだよ」
    「……この状況でいつまでそうしてられるのか楽しみだよ"アヤックス"」
    「その名で呼ぶなって言ってるよね」

     タルタリヤに睨まれた部屋の主はにやけた顔を抑える事などせずに、音飛びのするレコードの前に腰をかける。ピアノの前に座った彼は鍵盤に手を添えるが、指が右へ左へ滑らせるだけで音を奏でる気配は未だにない。

    『早く弾いてくれよ"アヤックス"! さぁ、早く!』







    「公子殿? おい! 大丈夫か!?」

     いつも叩く軽口が急に静かになり、手に持つ水で出来た槍に声をかけるも返事はない。少し心を落ち着かせ、タルタリヤと自分の波長に集中する。繋がりが解かれた訳でもない事に安心はしたが、何やら感じ慣れないノイズがタルタリヤの魂に纏わりついている。少し、嫌な予感がする。こういう時の感は当たったりするものだ。未だ争いの絶えない状況から離脱するのは少々危険たが、ここはやむおえない。

    「旅人! 悪いが少し時間をくれないか!?」
    「鍾離さんどうしたの?」
    「緊急事態だ。少しだけでいい、時間を稼いでくれ」
    「分かった。ここは何とかするから早く帰ってきてよね」
    「すまない。助かる」

     少しだけ距離を離れた鍾離は沈黙を続けるパートナーの波長に集中する。
     彼の魂はいつも美しい海が広がっている。それは生命の源でありながら全てを飲み込む雄大な海で、そんな美しい魂が鍾離は好きだった。
     いつもより静かな浜辺に足首まで波が当たる。冷たい波はすぐさま足の感覚を奪っていく。
     ふと、海から美しい音が聞こえてくる。とても美しい音色に誘われる様に海へ一歩、一歩と足を進める。冷たい水が膝から腰、胸部を超えて肩まで浸かり、突き刺す様な冷たい痛みに感覚まで薄れていく。それでも止まる事の出来ない歩みに、ついには首、口、鼻、目と頭の先まで浸かる。思わず目を閉じ、呼吸を止めてしまうが歩みは止められない。
     どれくらい歩いたのか分からないが、"目的地"にたどり着き、目を開ける。そこには静かに鍵盤に触る公子殿と見た事もないくらい邪悪に笑う"公子殿"の姿があった。

    「ようこそ先生。待ってたよ」
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