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    neko_ka_23

    @neko_ka_23
    七海と悠仁が愛おしすぎて。悠仁総受け。(雑食ではありますが)
    主人公は受けがほとんどです。絵は練習中。

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    neko_ka_23

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    教師七虎に(また)ダンスさせときました。
    二人とも教師設定です。

    #七虎
    sevenTigers

    【七虎】虎杖先生の秘密卒業式の会場でちょっと危なげなクラブに行こうとしている学生グループに悠仁が困りながらも注意を促す。

    「こーら、ダメだって。まだ未成年だろうが。」
    「え~!他の学校の子達はみんな行ってるし。」
    「他は他。変なの多いんだからもっと大人になってからにしろって。」

    そんなやり取りをしていると他の生徒から悠仁はそういうの疎いし、流行に遅れているなど言い始める。
    女性生徒の一人が悠仁にこう言った。

    「先生って運動能力あるけどさ~、ダンスとか踊れなさそうだもんねー!」
    「うける。町内会の盆踊りならいけんじゃない?」

    言えるだけ言える冗談と小ばかにしたような内容に悠仁は「はいはい、踊れません!とにかく行ったらダぁメ!」といつもの調子で心配そうに答える。

    「踊れますよ。」

    そのガヤガヤとした生徒のヤジを一瞬で沈めたのは、副担任の七海建人。

    「ちょ、っと、七海先生!」

    慌てたように悠仁がシー!と何か隠すようにするものだから、生徒はすぐに七海への質問タイムが始まってしまった。

    「え!ちょと七海先生!どういうことですか!」
    「お前ら、七海先生には敬語使うのな…。」
    「ちょっと、虎先は黙ってて!」

    席に着いた状態でも生徒の興味は七海のこの後続くだろう詳細についてだ。
    数冊の教科書とプリントの束を抱えた七海は教壇で顔を覆って項垂れている悠仁の隣へと寄り、抱えてるそれらを置いた。

    「さて、その前に。一昨日の小テストを返却します。」

    容赦のない七海建人の一言に途端に拒否するような悲鳴と不満を含んだ声が響いた。
    七海をチラりとみた悠仁の目に、あちらもまたチラりとみた視線が少し笑っているように見えた。
    どちらにしよ、心配した悠仁への何かしらから話題が逸らされてほっとした。



    この学校では、基本2名1組で授業以外は動くシステム。
    体育専門でこのクラスの担任の虎杖悠仁(20)とかつての知り合いだという経済専門社会担当の七海建人(35)。
    高校3年生という一番多感な時期を受け持ち、中に素行の悪い物も何人かはいたが悠仁の人たらしのおかげもあって真面目とはいえないが授業にはちゃんと出るようになっていた。
    そしてあっという間に最後は来てしまう。
    彼らの卒業式に、特別に体育館で立食形式の簡単なパーティーが開かれた。
    学生たちの好みの曲が体育館内に響き渡り、写真を撮りあってはしゃぐ女子生徒や傍らお世話になった教師と将来について語る者。
    時折、主催生徒が組んだプログラムの余興が行われたりと楽しい時間。
    そのうち男子二人がヒップホップダンスを披露し始め、盛り上がる生徒とあまりこういう事に縁のない一部の教師がきょとんとしながらみている。
    コーラが注がれたグラスを片手に飲みながら立っていた悠仁の横に生徒がかけよってきた。

    「虎センさ~、」
    「んあ?」
    「踊れるんでしょ?」

    そう言われて炭酸が器官でちょっとした流動によって咽かえる悠仁。

    「きったない~!ちょっと鼻でてるぅ…もぉ…」

    生徒が少し距離を置きつつも近くにいた男子生徒がすぐに絡みだす。

    「先生ぇ、踊ってよぉ!」
    「お前な…踊れないつってんだろ…」
    「まぁたまたぁ!七海先生言ってたじゃん!」
    「あれは!違う!違います…。」

    忘れた頃にやってきた話題に悠仁が苦笑していると、またどこからか生徒に引っ張られて連れてこられた七海。

    「ね!七海先生!虎センって踊れるんでしょ!?」
    「あぁ。何かと思えば…。」

    そう言ってまた悠仁をみた七海。

    「ちょっと、七海先生!」

    念を押すように必死の形相の悠仁が目をかっと開いた。

    「まぁ、彼らの踊るような類のダンスは朝飯前でしょう?虎杖先生。」
    「は!?」

    何故か、さらりと七海に暴露された。
    その場にいた一同が「は!?」と声をあげ、それが増して他の生徒も集まってきた。

    「まぁ、私が知っているのはは違うダンスですけど…。」

    またさらりと一番重要な部分が生徒に情報公開された。

    「ちょっと、先生!どういうこと!?何!ダンスって何!盆踊りじゃないでしょうね!?」
    「ダンス…ダンス…他にダンスって何があったっけ!?」

    生徒が自分の知る限りのダンスを思い出そうとする中で後ろのパイプ椅子に腰かけお茶を飲んでいる白髪の男性が「社交ダンス。」とぼそりと言った。
    一斉にその男性から悠仁へ視線が向けられ、思いっきり視線を斜め上へ逃がす。
    わー!っと軽く肩や腕を生徒に揺すられ、「本当!?」「みたい!」「踊って!」「盆踊りじゃなくて!?」とわちゃわちゃと盛り上がる。
    それを楽しそうについ噴出した七海。
    それを見たひとりの女子生徒。

    「でも、なんで七海先生が知ってんの?」
    「…。」

    女の勘が働いたのだろうか。

    「どうでしょうねぇ。ねぇ、虎杖先生。」
    「「「先生みたい!」」」
    「嫌だ!」
    「「「私たち卒業だよ!なんかやってよ!」」」

    卒業の言葉を盾にされ何かしてやりたいとは思うがよりによって何故それなのかとたじたじの悠仁。

    「いや、無理だって。オレ今日、こんな格好だし……、そう!こ、こんな格好だと踊れません!」

    体育館用のスリッパを足先でブラブラとさせ悠仁はふふんと笑った。

    「心配ありませんよ。あります。」

    七海がまた問題解決ですといわんばかりにさらいと言うと。
    何故か七海の後ろからひとりの生徒が2足のダンス用のシューズを持って現れた。

    「靴ありますよ、虎杖先生。」
    「!」

    どうしても悠仁が隠して見せたがらないダンスを見たいと一部生徒が七海に何度も交渉を重ねたことが功を奏した。
    この計画をスムーズに移すにはこういうかしこまった時にスーツを着てくる時が最善だと七海からの提案された時は生徒も驚いた。
    すっかりやられたとばかりに蹲っていたが、七海がその手を取って立ち上がらせた。

    「いいじゃないですか、生徒の花向けに。」
    「でも…。いやぁ…」
    「私がお相手しますので。」
    「やっぱりそうなる?」
    「他に踊れる方はお見受けしませんので。」

    その会話にやっと気づいた男子生徒の一人。

    「お!?おあ!?ちょっとまって七海先生も踊れるってこと?」

    いよいよこの状況に興奮してきたのは女子生徒一同でそれに感化されるように男子生徒がとりあえず盛り上げとけと声をあげる。
    するとインカムをつけた実行委員らしき生徒が悠仁と七海のところへやってきて告げた。

    「準備してください先生方!この曲終わったら中央に出て!」

    はいはいはい!と椅子に座らされ、靴を生徒に剝ぎ取られてしまい仕方なく黒い見覚えのある靴に足を沈める。

    「もー…、ナナミンもグルだったのぉ?」
    「まぁ、どうせなら彼らの思い出に残るのも…よいかと思ったので。」
    「嫌ですか?私と踊るのを見られるのは。」

    そう言われて悠仁はあまりしなれないネクタイをしゅるりと外し第一ボタンを緩めた。

    「違ぇよ……、だって…、」

    大音量で流される館内のため、不貞腐れているわけでもない照れた顔に顔を寄せ何かと続きに耳を傾ける。

    「踊ってる時の…ナナミン…かっこいいから…。あんま……見せたくない…っつーか…。」

    はぁっと盛大な溜息から立ち上がった七海が悠仁の手を取る。

    「え、ナナミン?」
    「いいんですか?その呼び方。」
    「あっ…。」

    やってしまったと項垂れる悠仁に「背筋伸ばして。行きましょう。」と七海が目を細めて笑った。


    まだ中央はガヤガヤとダンスや話に夢中の彼らの間を通り、向かい合う。
    少しち違った雰囲気と様子に気づいた生徒と教師たちのざわめきに変化が起きる。
    ネクタイを外し、袖を捲り少しラフになった二人だが、流れ出した音楽と、二人の手が重なった瞬間から始まるドキリとする二人の雰囲気に視線が集まる。
    体育館の床を、バスケやバレー部が使う日常の部活で響かせる音とは違う、革靴の底がカツンと響く。
    ホールドを崩さない二人の姿勢や滑るように運ばれる足、いつもみる教師二人の顔はそこにはない。
    バンドネオンの妖艶なメロディと弦楽器の凛とした音が体育館を一瞬にして異国を映し出す。
    生徒から筋肉おばけやらと思われているほど、球技や通常のスポーツの印象が強かった。
    そして七海も担当教科のせいもあり派手に動くような彼を見たことは誰もいない。

    曲が止み、少し息を荒げた二人がニヤリと見つめあっている。
    数秒後に湧き上がる歓声に少し苦笑しながらも「あっちぃ。」笑う悠仁。
    途端に子供みたいなピュアさが本当に罪作りだなと七海は思った。
    久しぶりに人前で七海と踊れたことは嬉しかった悠仁。
    すぐに生徒たちに囲まれてしまい、質問攻めに合うこととになる。




    そんな盛り上がる彼らを遠目に実行委員会と生徒の一人が抱いていた疑問を口にする。

    「てかさ、七海先生よく虎センの服のサイズ知ってたよね。」
    「そういわれれば…確かに…。」

    数秒後にはっと顔を合わせて、気づいたのは二人が同じゴールドのリングを薬指に嵌めていたことを思い出し目を見開いた。

    「やばい、私興奮する!」

    何かに目覚めたひとりがその年以降も、二人のダンスを卒業式や修学旅行のプログラムに入れ込み学内では欠かせない物となった。
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