両片想い福さにでひとつ「だから、ふたりとも飲みすぎだって……」
呆れた声を出す福島さんを見上げると、ほら、と水の入ったコップを渡された。
「まだそんな飲んでませんー」
「顔、赤くなってる」
この辺り、と手袋のつるりとした感触に頬を撫でられる。
「そうですか? でも顔が赤くなるかどうかとお酒の強い弱いは関係ないって聞いたことありますよぉ?」
誤魔化すように手の平で押さえると、確かにいつもより熱く感じられた。でも、これはきっと、福島さんに触れられたせいだ。
「そういう問題じゃなくて……」
お説教が始まるかと思いきや、一緒に飲んでいた日本号さんが日本酒の入っているグラスを揺らしながら笑った。
「いやいや、主はそんなに酒弱くねえぞ。結構イケる口だ」
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