特にそういうオチは求めてなかった まだ残暑が残る夏休みの夜。弦巻家にハロー、ハッピーワールド! の五人は集まっていた。
畳の部屋に敷かれた布団の上に正座する五人。真っ暗な部屋の中、彼女達が囲む一本の蝋燭の火だけが揺らめいていた。
「それじゃあ第一回! ハロハピ怪談大会を始めるわよ!」
おどろおどろしい雰囲気に似つかわしくない、弦巻こころの明るい号令が響く。正座して目を輝かせる北沢はぐみが拍手をして、膝を抱える松原花音が苦笑いをして、そわそわと落ち着きの無い瀬田薫が表情を硬くした。
奥沢美咲はこの状況に首を傾げた。ハロハピの普段の雰囲気とかけ離れ過ぎたこの部屋の様相に、戸惑うばかりだった。
「あの、こころ? ……なんで突然怪談?」
「この間モカがね、Afterglowのみんなで怪談大会をしたってお話ししてくれたの!」
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