私が書いていいのかとても恐縮してまう王さんの話「お待たせしましたぁ〜♪」
「あ、どうも」
可愛らしいエプロンドレスを来た女性ウェイターに差し出されるまま、風猫はふよふよとタピオカが浮かぶ飲み物を受け取って差し込まれていたストローに口をつけた。
「うっま」
「気に入ってもらえたようでなによりだ。フルーツティーというものらしいぞ」
向かいの席に腰かけている劉仁は何やら意気消沈しているらしく、草臥れた笑顔を浮かべていた。忙しさに疲れが溜まっているのか、それとも。
「ここも含めて、表通りにいくつか観光客向けの店を出店しようと考えているんだ。うちは主に夜の繁華街での商売が多いが、できれば昼の仕事の方がいいと言う者もいるから」
「……アンタもほんと、手広くやるよなぁ」
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