うさぎとオレ落ち着け、焦ったら負けだ。
そう自分に言い聞かせて枕元に置いていたスマホを手にした。表示されてる日時は2023年1月1日だ。それをしっかりと確認したあと、オレは自分が居る部屋をじぃっと見渡した。ふかふかの布団、見覚えのあるポスター、見間違えるはずもない天井。うん、どう見てもオレの部屋だ。昨日、兄ちゃん達と実家に帰って、自分の部屋で寝たんだからそうじゃなかったらおかしいし。
そこまで確認して、ふうっと息を吐き出した。
「……くもん?」
子供の声がオレを呼ぶ。そして顎の下辺りを柔らかな毛並みが擽ったかと思うと、ぎゅうっと腹のところに回ってた腕に力が込められた。
「またどっか行こーとしてんじゃないのか?」
「してないよ」
3403