『プ、ライド……様』
『はい、プライド様。……あっ』
『お休みなさい、プライ……。…………プライド』
『プライ……ド』
ステイルが名前を呼んでくれようとする度に少しずつ戸惑いやたどたどしさが取れていった時の、くすぐったくなるような嬉しさを今も覚えている。始めは照れたように目を逸らしながら名前を口に乗せていたのが、回数を重ねていつの間にか真っ直ぐ目を合わせてくれるようになって。
『プライド』
初めてきちんと名前を呼ばれた時はちょっとだけ泣きそうになった。時間があればいつも会いに来てくれて、とりとめのないお喋りに付き合ってくれて、大切そうに名前を呼んでくれる。
ねえ、ステイル。私は補佐として「プライド第一王女」と呼ぶ頼もしいステイルも、義弟として「姉君」と呼ぶ落ち着きのあるステイルも大好き。
436