それはオズとフィガロが並んで立ったまま双子の説教を聞いている時だった。弟子たちの顔を見上げてくどくどとイヤミったらしい言葉を並べ立てていた二人は、急に何か思いついたように顔を見合わせた。
「≪ノスコムニア≫」
揃ったかわいらしい声と共に、ずしゃりと音を立ててオズとフィガロは床に押さえつけられた。上から強い力をかけられているような感覚で、とても腕力で抗えそうにない。かといって魔法ではねのければ機嫌を損ねて余計に面倒なことになりそうだった。そのようなことをフィガロは考えながら、そしてオズはおそらく考えもせず、二人ともかろうじて双子の顔を見上げる。そこには冷たく弧を描く三日月が二つ並んでいた。
「頭が高すぎたのでのう」
「自分の立場が分かっておらぬようだったのでのう」
「拾ってやった時はあんなに小さかったのに、図体ばかり大きくなりおって」
「見つけてやった時はあんなにか弱かったのに、態度ばかり大きくなりおって」
代わる代わる開いた口は一度閉じ、それから同時に開かれた。
「久々にしっかりしつけてやるとしよう」