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    春園ひなた

    @hinata_kr

    アカウントは鍵付きですがポイピクのURLを公開アカウントでツイートするのは(晒し目的などでなければ)問題ありませんのでご自由にどうぞ。

    基本的にはある程度溜まったらpixivにアップしますのでこちらを必ずチェックする必要はありません。

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    春園ひなた

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    北師弟、カプなし

    叱られる側が背が高いので見下ろしてくることに怒っちゃうお母さん というツイートを見て

    ##pixiv収録済み

     それはオズとフィガロが並んで立ったまま双子の説教を聞いている時だった。弟子たちの顔を見上げてくどくどとイヤミったらしい言葉を並べ立てていた二人は、急に何か思いついたように顔を見合わせた。
    「≪ノスコムニア≫」
     揃ったかわいらしい声と共に、ずしゃりと音を立ててオズとフィガロは床に押さえつけられた。上から強い力をかけられているような感覚で、とても腕力で抗えそうにない。かといって魔法ではねのければ機嫌を損ねて余計に面倒なことになりそうだった。そのようなことをフィガロは考えながら、そしてオズはおそらく考えもせず、二人ともかろうじて双子の顔を見上げる。そこには冷たく弧を描く三日月が二つ並んでいた。
    「頭が高すぎたのでのう」
    「自分の立場が分かっておらぬようだったのでのう」
    「拾ってやった時はあんなに小さかったのに、図体ばかり大きくなりおって」
    「見つけてやった時はあんなにか弱かったのに、態度ばかり大きくなりおって」
     代わる代わる開いた口は一度閉じ、それから同時に開かれた。
    「久々にしっかりしつけてやるとしよう」
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    Replies from the creator

    春園ひなた

    DOODLE「猫の瞳」晶フィ
    ナンジャ第二弾かわいすぎたので、何番煎じかつ自分でも過去に書いてるんですが猫に変身ネタを書きました。
    重心としては猫以外の方に寄っていますが……。
     猫になったフィガロを見て、俺は目を輝かせてしまった。
    「わああ!」
     毛足が長くて、整った顔立ちをしている。ふわふわした尾を優美に振って、こちらに目配せしながら顔を洗ってみせる。サービスの良さも、きれいな榛と灰の瞳も、これがフィガロであることを物語っているのだが、そうやって意識しないと忘れてしまいそうなくらい、俺は目の前の猫に心を奪われていた。
    「触っていいですか? わっ」
     聞き終わる前に向こうから手にすり寄ってきてくれて俺は感動する。うっとりするほどやわらかくなめらかな毛並みだった。
    「はあ……ふわふわ……すべすべ……すごいねえ」
     一度触れてしまうと離すのが惜しくて、俺は両の手で猫を撫で回す。気持ちよさそうにゴロゴロと喉を鳴らしてくれるのがたまらない。しまいに腹を出してくれたので、かがみ込むように顔を近づけた。このまま頬ずりしてしまいたい。吸ってしまいたい。にゃあん、と甘く鳴かれる。いいよと言ってくれているんだろうな、と思いながらも顔をうかがって、改めてその瞳に見惚れた。
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    recommended works

    Ukue

    DONE11/14【月よりのエトランゼ】展示作品です。
    PWはおしながきに貼っているリンク先に記載しています。
    自分の住む世界にフィガロが来てもまだ「好き」を素直に伝えられない晶♂と
    「好き」と言われていることに気づかないフィガロのお話。

    I love youは聞こえない→フィガロの話
    I love youは届かない→晶♂の話
    になっています。
    I love youは聞こえない / I love youは届かないあの世界の月――≪大いなる厄災≫は綺麗ではなかった。
    たくさんの生物を殺し、大地を壊し、賢者の魔法使いたちに傷を与えた。
    血に染まった、醜い存在。
    だけど、この世界に来てからはどうだろう。
    この世界の月は俺たちに危害を加えることはないし、何かを壊すこともない。
    毎晩暗くなった街を照らし、人々に希望を与えている。
    「あの世界で『月が綺麗だ』って言ったら、フィガロは不謹慎だと怒りましたよね」
    「そりゃそうだよ。賢者様は殺人鬼を美しいと思うのってあの時も聞いたはずだけど」
    「俺はそんな変わった人じゃないです」
    賢者様はたまに意味不明なことを言う。
    蒸し暑い時に「今日は少し肌寒いですね」とか、晴れているのに「雨、止みませんね」とか言っていた。俺が「風邪引いたの?」「大丈夫?」と声をかける度、悲しそうな顔をしていた。
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