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    春園ひなた

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    春園ひなた

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    「ホワイトの得意な魔法」
    晶♂→フィガロ
    久々に読んだらいいキャラエピだな……それぞれの魔法使いを思い描けて……私の中ではフィガロ確定なんだけど……になったので続きを書いた話。(ところでホワイト様が気になってる場合はどうすれば!?ホワイト様!?)

    ##pixiv収録済み

     はたして、そこにいたのはフィガロだった。
    (やっぱり)
     胸の中でつぶやいてから、俺はそう思った自分に驚く。自覚はなかった。いや、確かにフィガロは掴みどころがなくて、なのに寂しそうな顔をすることがあって、なんだか目が離せないとは思っていたが。そういう意味では間違いなく、気になっている相手なのだが。
     突然振り向いたかと思えば何も言わない俺とホワイトにきょとんした顔を向けていたフィガロは、ふいに笑みを浮かべた。
    「何です? 俺の話でもしてた?」
     問いかける相手を変えながら近づいてくる。なんとなく気まずくて目をそらした俺の隣で、ホワイトが明るく応える。
    「まあ、そんな感じかの」
    「へえ、気になるな」
     明らかに俺に近い位置で立ち止まったフィガロは、ささやくような声を落とした。
    「どんな話だったか聞いてもいい?」
    「それは、ちょっと」
    「ええ? 陰口でも叩いてた?」
    「そんな、」
     思わず顔を上げた俺は、しまったと思った。思ったより近い位置で目が合う。フィガロが鮮やかに笑う。
    「顔が赤いよ。賢者様」
    「……、フィガロの顔が近いからじゃないですか?」
    「そう? 振り向いた時からわりと赤かったよ」
     観念した俺がうつむいてしまうと、あはは、と快活な声が降ってきた。
    「なんてね。大丈夫、きみが陰口を叩くなんて思ってないよ。まあ、ホワイト様が話して君は聞くだけだったのかもしれないけど」
    「ホワイトも、そんな話はしてません」
    「……今のは冗談。きみの誠意を疑ったわけじゃないよ。もちろん、ホワイト様のもね」
    「やれやれ。ほどほどにするのじゃぞ」
     呆れたように言ったホワイトに、フィガロが目を細める。面白そうな獲物を見つけた猫のように。それをきれいだと思ってしまったのだから、俺はやっぱりフィガロのことが気になっているのだろうと思った。
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    春園ひなた

    DOODLE「猫の瞳」晶フィ
    ナンジャ第二弾かわいすぎたので、何番煎じかつ自分でも過去に書いてるんですが猫に変身ネタを書きました。
    重心としては猫以外の方に寄っていますが……。
     猫になったフィガロを見て、俺は目を輝かせてしまった。
    「わああ!」
     毛足が長くて、整った顔立ちをしている。ふわふわした尾を優美に振って、こちらに目配せしながら顔を洗ってみせる。サービスの良さも、きれいな榛と灰の瞳も、これがフィガロであることを物語っているのだが、そうやって意識しないと忘れてしまいそうなくらい、俺は目の前の猫に心を奪われていた。
    「触っていいですか? わっ」
     聞き終わる前に向こうから手にすり寄ってきてくれて俺は感動する。うっとりするほどやわらかくなめらかな毛並みだった。
    「はあ……ふわふわ……すべすべ……すごいねえ」
     一度触れてしまうと離すのが惜しくて、俺は両の手で猫を撫で回す。気持ちよさそうにゴロゴロと喉を鳴らしてくれるのがたまらない。しまいに腹を出してくれたので、かがみ込むように顔を近づけた。このまま頬ずりしてしまいたい。吸ってしまいたい。にゃあん、と甘く鳴かれる。いいよと言ってくれているんだろうな、と思いながらも顔をうかがって、改めてその瞳に見惚れた。
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    recommended works

    Ukue

    DONE11/14【月よりのエトランゼ】展示作品です。
    PWはおしながきに貼っているリンク先に記載しています。
    自分の住む世界にフィガロが来てもまだ「好き」を素直に伝えられない晶♂と
    「好き」と言われていることに気づかないフィガロのお話。

    I love youは聞こえない→フィガロの話
    I love youは届かない→晶♂の話
    になっています。
    I love youは聞こえない / I love youは届かないあの世界の月――≪大いなる厄災≫は綺麗ではなかった。
    たくさんの生物を殺し、大地を壊し、賢者の魔法使いたちに傷を与えた。
    血に染まった、醜い存在。
    だけど、この世界に来てからはどうだろう。
    この世界の月は俺たちに危害を加えることはないし、何かを壊すこともない。
    毎晩暗くなった街を照らし、人々に希望を与えている。
    「あの世界で『月が綺麗だ』って言ったら、フィガロは不謹慎だと怒りましたよね」
    「そりゃそうだよ。賢者様は殺人鬼を美しいと思うのってあの時も聞いたはずだけど」
    「俺はそんな変わった人じゃないです」
    賢者様はたまに意味不明なことを言う。
    蒸し暑い時に「今日は少し肌寒いですね」とか、晴れているのに「雨、止みませんね」とか言っていた。俺が「風邪引いたの?」「大丈夫?」と声をかける度、悲しそうな顔をしていた。
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    ツキシロ

    DONEガルシア博士×アシストロイド晶♀。パラロイ軸本編後、ラボに残った晶。約五十年後、博士が亡くなった後、旅に出ていたオーエンとクロエがラボを訪れる話です。捏造多数。晶はカルディアシステム搭載です。
    パラレルワールド・スターチス 博士のことですか?
     そうですね、とってもお優しい方でした。私たちアシストロイドのことも、友人のように扱ってくださいました。アシストロイド差別について、何度か講演などもしていらっしゃいましたが、あれは本当に、仕事だからやっていたのではなく、私たちアシストロイドのことを、生活のパートナーとして思っていてくれたことは、ラボラトリーの中の人間も、もちろんアシストロイドも、誰もが知っていることです。
     それ以外のこと? もうお亡くなりになった方のことを話すのは憚られますが……そうですね、博士が受けていらっしゃったお仕事ですから……とても、真面目な方でした。真面目、といいますか、本当に研究がお好きなんだな、と思うことが多々ありました。研究だけではなく、先ほどのような講演やメディア出演、ラボの中での会議など、寝る間もない時期というものが、一年の間に何回もありました。それでも、ご自分の興味があることを見つけると、目がきらきらと輝いて、そのことに集中して、三日も寝ない、ということもありました。ええ、そういう時は、私や、その他の博士の助手を務めていたアシストロイドが、無理矢理にでも寝室にお連れしました。脳波や呼吸、脈拍などを感知していれば、さすがにもう休ませたほうがいい、という潮時は、私たちアシストロイドにはわかりますから。そのために博士は私たちをおそばに置いてくださったのだと思います。
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