TABOO ――いつからだろう。
どちらからというでも無く、求め合うようになったのは。
「おはよう、テリー」
「……おはよう」
普段と変わらない日常。
ミレーユは夢占い師。
テリーは城の衛兵を任されている。
共に各々の仕事が終われば、ひとつ屋根の下で暮らす、極々普通の姉弟……の筈だった。
十年以上、離れ離れになっていた姉弟は、敵対する形で再会を果たす。
昔から整った顔立ちだった姉弟は、まるで恋人同士かのようにお互いにドキドキしながら、少しずつ長い長いブランクをゆっくりと埋めていった。
そして。
気が付けば、その一線すら超えてしまった。
何処で間違えてしまったのか、きっかけは何だったのか。
そんな事はどうでも良かった。
ただ、二人で過ごす時間を大切にしたくて。
もう離れたくないという、互いの想いが強まっただけ。
――もう、姉弟には戻れない。