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    前夜-13

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    そらお

    DONE #雑伊版深夜のワンドロライ
    お題「ハロウィン」
    オチが行方不明。かっこいい雑渡さんはいません。
    猫耳しっぽの伊作くんがいます。名前のないモブ忍が出ます。
    ワンライ、遅刻はするわ時間超過はするわでなにひとつ成長できていないのですが、とりあえずお題を頂いて頑張って書こう!というモチベーションになっています。
    いつもありがとうございます。チャレンジできてうれしかったです。
    「ハロウィン」そらお@masakanootiran「なんでこうなっちゃったんだよ~」

     伊作は頭を抱えて部屋の隅にうずくまっている。
    「なんでって、君が突然こんなところまでやってくるからだよ」
    「雑渡さん~」
    「辛いならやめてもいいけど、任務どうするんだい」
    「だって――まさか、こんなことするなんて思わなかったんですよ~」
    「大丈夫。よく似合ってるよ」
    「なんの慰めにもなってません!」
    「言っておくけど、今回わたしはなにもしていないからね」
    「分かってます~~!」
     うずくまったまま嘆く伊作を横目に、雑渡は雑炊の入った竹筒を軽く振って、ここに伊作を連れくるまでを思い返した。

     
     忍術学園の六年である善法寺伊作がうずくまっているこの場所は、タソガレドキ領内の一角にあるタソガレドキ忍軍の拠点のひとつである。
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    さかえ

    MAIKINGようやく伊くん編 冒頭のみです。
    いずれ雑伊になる話 その3四 善法寺伊作と私
     その少年が、かの大川平次渦正が創設した忍術学園の生徒であると知った時、雑渡の中に生まれたのは奇妙な落胆であった。以前から忍術学園の存在とその評判自体は耳にしており、その在り方に疑問を抱いていたからだ。城付き忍者の息子として生まれ育った雑渡からすると、忍術とは秘匿の術であり、決してもののように金品で購うものではない。それを学校という、ある種おおやけのものとして門戸を開くというのがどうにも理解ができなかった。忍術を――人を欺き命を奪うためのすべを、なかよしこよしの道具にするなどと、正直に言って舐めているとしか思えない。
     理解できないといえば、いくさ場で出会ったあの少年であった。部下によれば名を善法寺伊作というらしい。忍術学園の生徒がいくさ場にいること自体は、授業の一環であろうと察することができる。だが、そこでの彼の行動はまったくもって不可解であった。本当に偶然のこととして、雑渡は善法寺がいくさ場に入る様子を見ていたが、彼はまずざっと状況を観察してひとまずの安全地帯を確保すると、そこにひとりのけが人を引っ張り込んだ。何をやっているのかという疑問は浮かんできたが、その行動が戦況に影響を与えるわけでもなし、雑渡はとりあえず彼を放っておくことにしたのだ。別段、こどもがいくさ場に入ってくること自体はさほど珍しくもない。おおかた見物か、どさくさに紛れて物取りでもするのだろうと思って、雑渡は一度忍軍への指示のためにその場を離れた。
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