疾風と成りて朝6時、私は日課の鍛錬のために、CAGEに備え付けられている道場風の訓練場に来ていた。
神棚に礼を行い雑巾がけを行うと、訓練場の真ん中で正座をして目を閉じる。
視覚からの情報を完全にシャットアウトし、余計な思考を捨てる。
感覚が研ぎ澄まされ、外で鳴く鳥の鳴き声や訓練場に使用されている木材の香りが、鮮明に感じ取れる。
数分、その状態で集中力を練り上げてから私は鍛錬に臨む。
「………………」
道場内では、木刀を振るう音と自分の足運びの音だけが響く。
定めた素振りの回数を終えると、木刀を元の場所に戻し、自分の荷物をまとめていた場所から、刀を手に取る。
技術班のカッコウさんに、作って貰った特別製の武器。
名前は私のコードネームに、因んで付けられた『疾鳥の刀』と言う名前らしい。
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