縋りつく熱ぴと、と背中に温かいものが触れる。
ヒューは特段驚くことなく、ああまたかと、その熱源のしたいようにさせた。背中越しに触れるのはキャットの背中だ。ベッドに胡座をかいて座るヒューは、やや首を回して様子を確認した。
膝を抱えて俯く小さな頭。わずかに震える細い肩は、まだまだ成長途中の少年の身体だ。
時刻はとうに日付が変わる頃。そんな夜更けに職人頭であるヒューの部屋に、ノックもなくやって来るのはただひとりだ。時折、こうしてやって来ては何も言わず、ただヒューの側に居座る。
その始まりは、彼の過去を知って以降だったように思うが、明確にいつだったのかヒューはすでに覚えていない。それくらい前のことだ。
当初、あまりに自由な振る舞いに叱ろうかとも考えたが、夜に現れるキャットは不思議としおらしく、そんな気はすぐに失せた。しかもそれは無意識のようで、子供が親を求めるように、ぴとりと身体を寄せてくるのだ。
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