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    kotoha_654

    小説など載せてます。

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    kotoha_654

    DONE甘えてくる猫につい手を出してしまったら、気づいたときには後戻りできないくらい夢中になっていたヒュー。自由な猫ですが、興味もない奴に好きにさせるほど爛れてないし、甘えるのも縋るのも実はヒューだけ。普通に両想い。ただ言葉を通わせていないだけの二人。※修業時代妄想
    縋りつく熱ぴと、と背中に温かいものが触れる。

    ヒューは特段驚くことなく、ああまたかと、その熱源のしたいようにさせた。背中越しに触れるのはキャットの背中だ。ベッドに胡座をかいて座るヒューは、やや首を回して様子を確認した。

    膝を抱えて俯く小さな頭。わずかに震える細い肩は、まだまだ成長途中の少年の身体だ。

    時刻はとうに日付が変わる頃。そんな夜更けに職人頭であるヒューの部屋に、ノックもなくやって来るのはただひとりだ。時折、こうしてやって来ては何も言わず、ただヒューの側に居座る。

    その始まりは、彼の過去を知って以降だったように思うが、明確にいつだったのかヒューはすでに覚えていない。それくらい前のことだ。

    当初、あまりに自由な振る舞いに叱ろうかとも考えたが、夜に現れるキャットは不思議としおらしく、そんな気はすぐに失せた。しかもそれは無意識のようで、子供が親を求めるように、ぴとりと身体を寄せてくるのだ。
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    kotoha_654

    MOURNINGsgapのヒューキャで、二人の少し未来を想像。
    ヒューの補佐的ポジションになったキャットが、ヒューのお供で王城の会議にお出かけ。落ち着きを持つようになったキャットに対して、ヒューがやきもきしつつ独占欲丸出しです。
    フォロワー様と話してて生まれたお話になります。
    悪い虫廊下の先にあるホールに見知った銀灰色の髪をした後ろ姿を見つけたヒューは、声をかけるべく足を早めた。しかし銀灰色の髪をしたその人物、キャットの隣にはホールの柱が死角になっていて視界に入らなかったが、見知らぬ男がいた。

    ヒューは、一瞬にして不愉快な気持ちになる。
    (なんだ、あいつ…)

    ヒューとキャットは会議に参加するために王城へと来ていたところだ。銀砂糖子爵の補佐となっているキャットは普段は来る必要はないが、今回は要請があったため共に赴いていた。会議後、国王陛下に拝謁する予定のあったヒューは、キャットに待つよう伝えて部屋をあとにしたわけだ。

    そして戻ってきたヒューは、キャットの隣の男が誰なのか思い出そうと頭を巡らせた。確かに先程の会議で、父である伯爵に付き従い同席していた、その子息だったはずだ。年若くまだ家督を継ぐような年齢ではない。ほんの社会勉強として参加したのだろう。
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