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    kotoha_654

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    kotoha_654

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    甘えてくる猫につい手を出してしまったら、気づいたときには後戻りできないくらい夢中になっていたヒュー。自由な猫ですが、興味もない奴に好きにさせるほど爛れてないし、甘えるのも縋るのも実はヒューだけ。普通に両想い。ただ言葉を通わせていないだけの二人。※修業時代妄想

    #ヒューキャ
    #シュガア腐
    #sgap

    縋りつく熱ぴと、と背中に温かいものが触れる。

    ヒューは特段驚くことなく、ああまたかと、その熱源のしたいようにさせた。背中越しに触れるのはキャットの背中だ。ベッドに胡座をかいて座るヒューは、やや首を回して様子を確認した。

    膝を抱えて俯く小さな頭。わずかに震える細い肩は、まだまだ成長途中の少年の身体だ。

    時刻はとうに日付が変わる頃。そんな夜更けに職人頭であるヒューの部屋に、ノックもなくやって来るのはただひとりだ。時折、こうしてやって来ては何も言わず、ただヒューの側に居座る。

    その始まりは、彼の過去を知って以降だったように思うが、明確にいつだったのかヒューはすでに覚えていない。それくらい前のことだ。

    当初、あまりに自由な振る舞いに叱ろうかとも考えたが、夜に現れるキャットは不思議としおらしく、そんな気はすぐに失せた。しかもそれは無意識のようで、子供が親を求めるように、ぴとりと身体を寄せてくるのだ。

    昼に何かあったのだろう、といったことにヒューはしばらくして気付いた。誰のことも信じない、何者も寄せ付けない、そんなキャットもまだほんの子供だ。何かに縋って安心したいのだろう。その縋る相手として選ばれたことは、実のところヒューは少しだけ嬉しかった。

    「どうした…眠れないのか?」
    「……」

    返事をしないことは知っている。それでも話しかけるのは、その方がキャットが安心するだろうと思ったからだ。ぽつり、ぽつりとヒューは取り留めもないことを話題にしては、夜の空間に音を作る。

    キャットは、満足したようにすんなりと退室する日もある。そうじゃないときは、そのまま部屋にいて朝まで眠ってしまうこともあった。

    あるとき、ヒューはほんの出来心で、その細い身体を暴いたことがあった。

    夜更けにやって来る、青年になりかけの未発達で柔らかな身体。キャットに興味があるとかないとか、そういう以前の問題だ。男ばかりの職人生活の中で、そういうものはおそろしく魅力的に映った。

    組み敷いても、ほとんど抵抗を見せることがないのをいい事に、最後までことを進めた。慣れぬ情事に痛がる仕草もあったが、か細く濡れた声は艶を帯びて、ヒューの耳元をくすぐった。吐息を混ぜるような口付けも、首に回される腕も、ヒューの心を満たすには十分だった。

    何より、普段は「おい」や「てめぇ」としか言わない減らず口の唇から、熱に浮かされたように「ヒュー」と何度も呼ばれるのは心地良かった。

    そんな夜を幾度か過ごしても、気にすることなくキャットはやって来る。初めはこの行為に何か意味を持たせるつもりはなかった。

    今日はすぐに戻るだろうか?
    朝までここで眠るのだろうか?
    それとも夜の相手をしてくれるのだろうか?

    それなのにヒューにとって、キャットの夜の訪いは、そう心安らかではなくなっていた。甘えるのも素っ気なくするのも自由。その相手は自分だけなのか、それとも安らぎを求める相手は他にいるのか。ヒューはまだ尋ねたことはない。

    背中越しの温もりは、今日も熱い。
    ヒュー自身はすでに手放せそうにないが、この猫はいったいいつまで自分に縋ってくれるのだろうか。

    .fin
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    kotoha_654

    DONE甘えてくる猫につい手を出してしまったら、気づいたときには後戻りできないくらい夢中になっていたヒュー。自由な猫ですが、興味もない奴に好きにさせるほど爛れてないし、甘えるのも縋るのも実はヒューだけ。普通に両想い。ただ言葉を通わせていないだけの二人。※修業時代妄想
    縋りつく熱ぴと、と背中に温かいものが触れる。

    ヒューは特段驚くことなく、ああまたかと、その熱源のしたいようにさせた。背中越しに触れるのはキャットの背中だ。ベッドに胡座をかいて座るヒューは、やや首を回して様子を確認した。

    膝を抱えて俯く小さな頭。わずかに震える細い肩は、まだまだ成長途中の少年の身体だ。

    時刻はとうに日付が変わる頃。そんな夜更けに職人頭であるヒューの部屋に、ノックもなくやって来るのはただひとりだ。時折、こうしてやって来ては何も言わず、ただヒューの側に居座る。

    その始まりは、彼の過去を知って以降だったように思うが、明確にいつだったのかヒューはすでに覚えていない。それくらい前のことだ。

    当初、あまりに自由な振る舞いに叱ろうかとも考えたが、夜に現れるキャットは不思議としおらしく、そんな気はすぐに失せた。しかもそれは無意識のようで、子供が親を求めるように、ぴとりと身体を寄せてくるのだ。
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    kotoha_654

    MOURNINGsgapのヒューキャで、二人の少し未来を想像。
    ヒューの補佐的ポジションになったキャットが、ヒューのお供で王城の会議にお出かけ。落ち着きを持つようになったキャットに対して、ヒューがやきもきしつつ独占欲丸出しです。
    フォロワー様と話してて生まれたお話になります。
    悪い虫廊下の先にあるホールに見知った銀灰色の髪をした後ろ姿を見つけたヒューは、声をかけるべく足を早めた。しかし銀灰色の髪をしたその人物、キャットの隣にはホールの柱が死角になっていて視界に入らなかったが、見知らぬ男がいた。

    ヒューは、一瞬にして不愉快な気持ちになる。
    (なんだ、あいつ…)

    ヒューとキャットは会議に参加するために王城へと来ていたところだ。銀砂糖子爵の補佐となっているキャットは普段は来る必要はないが、今回は要請があったため共に赴いていた。会議後、国王陛下に拝謁する予定のあったヒューは、キャットに待つよう伝えて部屋をあとにしたわけだ。

    そして戻ってきたヒューは、キャットの隣の男が誰なのか思い出そうと頭を巡らせた。確かに先程の会議で、父である伯爵に付き従い同席していた、その子息だったはずだ。年若くまだ家督を継ぐような年齢ではない。ほんの社会勉強として参加したのだろう。
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    縋りつく熱ぴと、と背中に温かいものが触れる。

    ヒューは特段驚くことなく、ああまたかと、その熱源のしたいようにさせた。背中越しに触れるのはキャットの背中だ。ベッドに胡座をかいて座るヒューは、やや首を回して様子を確認した。

    膝を抱えて俯く小さな頭。わずかに震える細い肩は、まだまだ成長途中の少年の身体だ。

    時刻はとうに日付が変わる頃。そんな夜更けに職人頭であるヒューの部屋に、ノックもなくやって来るのはただひとりだ。時折、こうしてやって来ては何も言わず、ただヒューの側に居座る。

    その始まりは、彼の過去を知って以降だったように思うが、明確にいつだったのかヒューはすでに覚えていない。それくらい前のことだ。

    当初、あまりに自由な振る舞いに叱ろうかとも考えたが、夜に現れるキャットは不思議としおらしく、そんな気はすぐに失せた。しかもそれは無意識のようで、子供が親を求めるように、ぴとりと身体を寄せてくるのだ。
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    ヒューは特段驚くことなく、ああまたかと、その熱源のしたいようにさせた。背中越しに触れるのはキャットの背中だ。ベッドに胡座をかいて座るヒューは、やや首を回して様子を確認した。

    膝を抱えて俯く小さな頭。わずかに震える細い肩は、まだまだ成長途中の少年の身体だ。

    時刻はとうに日付が変わる頃。そんな夜更けに職人頭であるヒューの部屋に、ノックもなくやって来るのはただひとりだ。時折、こうしてやって来ては何も言わず、ただヒューの側に居座る。

    その始まりは、彼の過去を知って以降だったように思うが、明確にいつだったのかヒューはすでに覚えていない。それくらい前のことだ。

    当初、あまりに自由な振る舞いに叱ろうかとも考えたが、夜に現れるキャットは不思議としおらしく、そんな気はすぐに失せた。しかもそれは無意識のようで、子供が親を求めるように、ぴとりと身体を寄せてくるのだ。
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