ある日の真夜中「──!!~ッッ!!」
流くんが何かを言っている。
目を見開いて、俺に何かを必死に伝えようと身体を捩ってもがいている。
でも俺にはその言葉は届かない。
だって俺が仰向けの流くんの上に跨がって、片手で彼の口を塞いでるんだから──。
両手は彼の頭上でフェイスタオルによって縛られている。あの嘉間良流がこんなにも簡単に組み伏せられてしまうなんて自分でもびっくりだし、何より……その姿に興奮してきている俺もいる。
さっきまで俺達はいつもの晩酌で楽しく飲んでいたはずなのに……
流くんの『ある話』で俺の何かが弾けてしまった。
ごめん、本当にごめん。ここは君の家で、君の理想があるのは当たり前なのに──。
でも俺は、俺の気持ちに気付けた。だから『邪魔が入る前に』
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